俳人 : 松藤夏山 （まつふじ かざん）

• 暖かやお化が出たる紙芝居
     あたたかや おばけがでたる かみしばい
• 暖か    あたたか
  季節: 春（三春） 分類: 時候（感覚）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.120

• 種案山子赤き帽子を戴かせ
     たねかがし あかきぼうしを いただかせ
• 種案山子    たねかがし
  季節: 春（晩春） 分類: 人事（労働）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.232

• 水垢ののりたる石に蜷澄めり
     みずあかの のりたるいしに になすめり
• 蜷    にな
  季節: 春（三春） 分類: 動物（貝類）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.109

• 鬼灯市稀に色づきゐるがあり
     ほおずきいち まれにいろずき いるがあり
• 鬼灯市    ほおずきいち
  季節: 夏（晩夏） 分類: 人事（行事）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.395

• 白波の走るが見ゆれ葭障子
     しらなみの はしるがみゆれ よししょうじ
• 葭障子    よししょうじ
  季節: 夏（三夏） 分類: 人事（生活）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.379

• 蠅叩一本持つて病みにけり
     はえたたき いっぽんもって やみにけり
• 蠅叩    はえたたき
  季節: 夏（三夏） 分類: 人事（生活）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.342

• 草の戸に買ひ戻りたる寝茣蓙かな
     くさのとに かいもどりたる ねござかな
• 寝茣蓙    ねござ
  季節: 夏（三夏） 分類: 人事（生活）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.390

• 石花菜採いと子おすゑともぐりけり
     てんぐさとり いとこおすえと もぐりけり
• 天草取    てんぐさとり
  季節: 夏（三夏） 分類: 人事（労働）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.449

• 豆殻をさしくべながら胡瓜もみ
     まめがらを さしくべながら きゅうりもみ
• 胡瓜もみ    きゅうりもみ
  季節: 夏（晩夏） 分類: 人事（労働）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.420

• 灯跳る水狂言の水の先
     ひはねる みずきょうげんの みずのさき
• 水狂言    みずきょうげん
  季節: 夏（晩夏） 分類: 人事（芸術）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.416

• 干飯や同じ氏なる一部落
     ほしいいや おなじうじなる ひとぶらく
• 干飯    ほしいい
  季節: 夏（晩夏） 分類: 人事（飲食）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.425

• 鳰の巣のさはりし指に水上る
     におのすの さわりしゆびに みずあがる
• 浮巣    うきす
  季節: 夏（三夏） 分類: 動物（鳥類）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.326

• 飛魚の波に飛びつき沈みけり
     とびうおの なみにとびつき しずみけり
• 飛魚    とびうお
  季節: 夏（三夏） 分類: 動物（魚類）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.284

• アルプスの銀座通の道をしへ
     あるぷすの ぎんざどおりの みちおしえ
• 道をしへ    みちおしえ
  季節: 夏（三夏） 分類: 動物（昆虫等）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.391

• 蛆虫のちむまちむまと急ぐかな
     うじむしの ちぬまちぬまと いそぐかな
• 蛆    うじ
  季節: 夏（三夏） 分類: 動物（昆虫等）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.346

• 出でそめし蚊を聞きすます暫しかな
     いでそめし かをききすます しばしかな
• 蚊    か
  季節: 夏（三夏） 分類: 動物（昆虫等）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.347

• 青蘆に夕波かくれゆきにけり
     あおあしに ゆうなみかくれ ゆきにけり
• 青蘆    あおあし
  季節: 夏（三夏） 分類: 植物（イネ目）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.339

• 射干に娘浴衣の雫かな
     ひおうぎに むすめゆかたの しずくかな
• 射干    ひおうぎ
  季節: 夏（晩夏） 分類: 植物（キジカクシ目 ）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.473

• 同じ日の毎日来る柿の花
     おなじひの まいにちきたる かきのはな
• 柿の花    かきのはな
  季節: 夏（初夏） 分類: 植物（ツツジ目）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.294

• 病みぬればじやがたらの花もいとほしく
     やみぬれば じゃがたらのはなも いとおしく
• 馬鈴薯の花    じゃがいものはな
  季節: 夏（仲夏） 分類: 植物（ナス目）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.364

• 牡丹にしみじみふるゝ風ありぬ
     ぼうたんに しみじみふるる かぜありぬ
• 牡丹    ぼたん
  季節: 夏（初夏） 分類: 植物（ユキノシタ目）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.252

• 新藁や柿の落葉のすぐとまる
     しんわらや かきのおちばの すぐとまる
• 新藁    しんわら
  季節: 秋（晩秋） 分類: 人事（生活）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.629

• 斯くなれば濡るゝ外なし菌狩
     かくなれば ぬるるほかなし きのこがり
• 茸狩    たけがり
  季節: 秋（晩秋） 分類: 人事（労働）
• 角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記　秋
     p.90

• 冬ざれやつぎはぎしたる村の橋
     ふゆざれや つぎはぎしたる むらのはし
• 冬ざれ    ふゆざれ
  季節: 冬（三冬） 分類: 時候（感覚）
• ハンディ版 入門歳時記 新版
     p.500

• 狩の宿一番鶏の鳴きにけり
     かりのやど いちばんどりの なきにけり
• 狩の宿    かりのやど
  季節: 冬（三冬） 分類: 人事（生活）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.706

• 替罠を負うてすた／＼鼬捕
     かえわなを おうてすたすた いたちとり
• 鼬罠    いたちわな
  季節: 冬（三冬） 分類: 人事（生活）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.708

• 四五枚の町中の田も藺植たる
     しごまいの まちなかのたも いうえたる
• 藺植う    いうう
  季節: 冬（三冬） 分類: 人事（労働）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.743

• 麦蒔くや十字架下げし島女
     むぎまくや じゅうじかさげし しまおんな
• 麦蒔    むぎまき
  季節: 冬（初冬） 分類: 人事（労働）
• 平井照敏編 新歳時記 冬
     p.226

• 凍豆腐今宵は月に雲多し
     いてどうふ こよいはつきに くもおおし
• 氷豆腐    こおりどうふ
  季節: 冬（晩冬） 分類: 人事（飲食）
• 角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記　冬
     p.95

• 下向いていくつかあるや龍の玉
     したむいて いくつかあるや りゅうのたま
• 龍の玉    りゅうのたま
  季節: 冬（三冬） 分類: 植物（キジカクシ目）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.62

• 二三枚ふいごの上の賀状かな
     にさんまい ふいごのうえの がじょうかな
• 賀状    がじょう
  季節: 新年（新年） 分類: 人事（行事）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.11

• 封切れば溢れんとするかるたかな
     ふうきれば あふれんとする かるたかな
• 歌留多    かるた
  季節: 新年（新年） 分類: 人事（娯楽）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.20

• 七種や似つかぬ草も打まじり
     ななくさや につかぬくさも うちまじり
• 七種（人事）    ななくさ
  季節: 新年（新年） 分類: 人事（飲食）
• 平井照敏編 新歳時記 新年
     p.164