俳人 : 西山泊雲 （にしやま はくうん）

• 早春の流水早し猫柳
     そうしゅんの りゅうすいはやし ねこやなぎ
• 早春    そうしゅん
  季節: 春（初春） 分類: 時候（暦）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.74

• 冴え返り冴え返りつつ春なかば
     さえかえり さえかえりつつ はるなかば
• 仲春    ちゅうしゅん
  季節: 春（仲春） 分類: 時候（暦）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　春
     p.162

• 清明節の朝しめりよし芋を植う
     せいめいの あさしめりよし いもをうう
• 清明    せいめい
  季節: 春（晩春） 分類: 時候（暦）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　春
     p.250

• 掘り返す塊光る穀雨かな
     ほりかえす つちくれひかる こくうかな
• 穀雨    こくう
  季節: 春（晩春） 分類: 時候（暦）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　春
     p.251

• 初雷や尋常なるが二つきり
     はつらいや じんじょうなるが ふたつきり
• 初雷    はつらい
  季節: 春（仲春） 分類: 天文（光）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　春
     p.169

• 焼山や嵩そのまゝに歯朶の容
     やけやまや かさそのままに しだのかた
• 焼山    やけやま
  季節: 春（初春） 分類: 地理（山野）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.86

• 麦踏に足の湯とるや三日の月
     むぎふみに あしのゆとるや みかのつき
• 麦踏    むぎふみ
  季節: 春（初春） 分類: 人事（労働）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.86

• 花種を蒔く古妻や児等左右
     はなだねを まくふるづまや こらさゆう
• 花種蒔く    はなだねまく
  季節: 春（仲春） 分類: 人事（労働）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.132

• 石鹸玉つゝじにふれず流れ消ゆ
     しゃぼんだま つつじにふれず ながれきゆ
• 石鹸玉    しゃぼんだま
  季節: 春（三春） 分類: 人事（娯楽）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　春
     p.123

• 水口を祭る種々蓑のうち
     みなくちを まつるくさぐさ みののうち
• 水口祭    みなくちまつり
  季節: 春（晩春） 分類: 宗教（神道）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.232

• 大なる人輪の中や牛交る
     おおいなる ひとわのなかや うしさかる
• 獣交る    けものさかる
  季節: 春（三春） 分類: 動物（哺乳類）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　春
     p.55

• 地虫出し穴やさら／＼竹の影
     じむしでし あなやさらさら たけのかげ
• 地虫穴を出づ    じむしあなをいず
  季節: 春（仲春） 分類: 動物（昆虫等）
• 平凡社 俳句歳時記 春
     p.411

• 虎杖の尖葉ほどけず太きかな
     いたどりの とがりばほどけず ふときかな
• 虎杖    いたどり
  季節: 春（仲春） 分類: 植物（ナデシコ目）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.157

• 涙ためて背戸に立つ児や豆の花
     なだためて せどにたつこや まめのはな
• 豆の花    まめのはな
  季節: 春（晩春） 分類: 植物（マメ目）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.208

• 石一つ抜けしあとあり草萌ゆる
     いしひとつ ぬけしあとあり くさもゆる
• 下萌    したもえ
  季節: 春（初春） 分類: 植物（総称）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.95

• 物の芽に額相寄せうづくまり
     もののめに ひたいあいよせ うずくまり
• ものの芽    もののめ
  季節: 春（仲春） 分類: 植物（総称）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　春
     p.193

• 蕪一つ畝にころげて茎立てる
     かぶひとつ うねにころげて くくだてる
• 茎立    くくたち
  季節: 春（仲春） 分類: 植物（総称）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.142

• 繭売つてこまごまの負債すませけり
     まゆうって こまごまのふさい すませけり
• 繭    まゆ
  季節: 夏（初夏） 分類: 人事（生活）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.261

• 夕雨や片すゝけして誘蛾灯
     ゆうさめや かたすすけして ゆうがとう
• 誘蛾灯    ゆうがとう
  季節: 夏（仲夏） 分類: 人事（生活）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.322

• 刈り残る一筋の藻に水澄みて
     かりのこる ひとすじのもに みずすみて
• 藻刈    もかり
  季節: 夏（三夏） 分類: 人事（労働）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.331

• 手に足に逆まく水や簗つくる
     てにあしに さかまくみずや やなつくる
• 魚梁    やな
  季節: 夏（三夏） 分類: 人事（労働）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.308

• 若楓伐つて御車通しけり
     わかかえで きってみくるま とおしけり
• 西祭    にしまつり
  季節: 夏（初夏） 分類: 宗教（神道）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.268

• 薊かげ逃げし鯰を見付たり
     あざみかげ にげしなまずを みつけたり
• 鯰    なまず
  季節: 夏（仲夏） 分類: 動物（魚類）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　夏
     p.289

• 青萱に落ち漂へる枯枝かな
     あおがやに おちただよえる かれえかな
• 青芒    あおすすき
  季節: 夏（三夏） 分類: 植物（イネ目）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.339

• 雨土をしたゝか揚げぬ瓜の花
     あめつちを したたかあげぬ うりのはな
• 瓜の花    うりのはな
  季節: 夏（初夏） 分類: 植物（ウリ目）
• 平井照敏編 新歳時記 夏
     p.439

• 夏菊の赤ともつかずたゞれたる
     なつぎくの あかともつかず ただれたる
• 夏菊    なつぎく
  季節: 夏（晩夏） 分類: 植物（キク目）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.382

• 十薬のゆれさゞめくや塀雫
• 十薬    じゅうやく
  季節: 夏（仲夏） 分類: 植物（コショウ目）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.300

• 糸つけし蝉とび来たり箒草
     いとつけし せみとびきたり ほうきぐさ
• 帚木    ほうきぎ
  季節: 夏（晩夏） 分類: 植物（ナデシコ目）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.474

• ひらひらと樫の落葉や藪表
     ひらひらと かしのおとばや やぶおもて
• 樫落葉    かしおちば
  季節: 夏（初夏） 分類: 植物（ブナ目）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.272

• 芋の葉影土に蒐まれる良夜かな
     いものはかげ つちにあつまれる りょうやかな
• 良夜    りょうや
  季節: 秋（仲秋） 分類: 天文（天空）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　秋
     p.223

• 落し水静かにきけば二つとも
     おとしみず しずかにきけば ふたつとも
• 落し水    おとしみず
  季節: 秋（仲秋） 分類: 地理（田畑）
• 平井照敏編 新歳時記 秋
     p.75

• 秋出水家を榎につなぎけり
     あきでみず いえをえのきに つなぎけり
• 秋出水    あきでみず
  季節: 秋（初秋） 分類: 地理（水辺）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.517

• 菜間引くや庵の籬より旭のつと
     なまびくや いおのませより きょくのつと
• 間引菜    まびきな
  季節: 秋（仲秋） 分類: 人事（労働）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.566

• 地蔵会や縄垣したる黍の徑
     じぞうえや なわがきしたる きびのみち
• 地蔵盆    じぞうぼん
  季節: 秋（初秋） 分類: 宗教（仏教）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.509

• こぼれ穂を捧げてもゆる穭かな
     こぼれほを ささげてもゆる ひつじかな
• 穭    ひつじ
  季節: 秋（晩秋） 分類: 植物（イネ目）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.643

• 飯籠掻けば鶏かけよりぬ鳳仙花
     いごかけば とりかけよりぬ ほうせんか
• 鳳仙花    ほうせんか
  季節: 秋（初秋） 分類: 植物（ツツジ目）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.503

• 伐り株の桑に菌や冬の雨
     きりかぶの くわにきのこや ふゆのあめ
• 冬の雨    ふゆのあめ
  季節: 冬（三冬） 分類: 天文（水）
• 平井照敏編 新歳時記 冬
     p.54

• 着ぶくれて小者等遊ぶ亥の子かな
     きぶくれて こものらあそぶ いのこかな
• 亥の子    いのこ
  季節: 冬（初冬） 分類: 人事（行事）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.651

• 酒庫口のはき替草履寒造
     くらぐちの はきかえぞうり かんづくり
• 寒造    かんづくり
  季節: 冬（晩冬） 分類: 人事（労働）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.31

• 鍋焼ときめて暖簾をくぐり入る
     なべやきと きめてのれんを くぐりいる
• 鍋焼    なべやき
  季節: 冬（三冬） 分類: 人事（飲食）
• 角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記　冬
     p.86

• 初日の出小田の塊磊々と
     はつひので おだのつちくれ らいらいと
• 初日    はつひ
  季節: 新年（新年） 分類: 天文（光）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.6

• 初売やよゝと盛りたる枡の酒
     はつうりや よよともりたる ますのさけ
• 売初    うりぞめ
  季節: 新年（新年） 分類: 人事（労働）
• 角川ソフィア文庫 第4版増補 俳句歳時記　新年
     p.38

• 歳徳や土かはらけの御燈明
     としとくや つちかわらけの おみあかし
• 歳徳神    としとくじん
  季節: 新年（新年） 分類: 宗教（神道）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.8