俳人 : 与謝蕪村 （よさ ぶそん）

• 寝ごゝろやいづちともなく春は来ぬ
     ねごころや いずちともなく はるはきぬ
• 立春    りっしゅん
  季節: 春（初春） 分類: 時候（暦）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　春
     p.134

• 罷出たものは物ぐさ太郎月
     まかりでた ものはものぐさ たろうづき
• 睦月    むつき
  季節: 春（初春） 分類: 時候（暦）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　春
     p.128

• 色も香もうしろ姿や弥生尽
     いろもかも うしろすがたや やよいじん
• 弥生尽    やよいじん
  季節: 春（晩春） 分類: 時候（暦）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　春
     p.251

• 誰ためのひくき枕ぞはるのくれ
     たがための ひくきまくらぞ はるのくれ
• 春の暮    はるのくれ
  季節: 春（三春） 分類: 時候（時間）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.173

• 春の暮家路に遠き人ばかり
     はるのくれ いえじにとおき ひとばかり
• 春の暮    はるのくれ
  季節: 春（三春） 分類: 時候（時間）
• 増補版 いちばんわかりやすい 俳句歳時記
     p.36

• 肘白き僧のかり寝や宵の春
     ひじしろき そうのかりねや よいのはる
• 春の宵    はるのよい
  季節: 春（三春） 分類: 時候（時間）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.173

• 春の夕たへなむとする香をつぐ
     はるのゆう たえなむとする こうをつぐ
• 春の夕    はるのゆうべ
  季節: 春（三春） 分類: 時候（時間）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　春
     p.33

• 返哥なき青女房よくれの春
     へんかなき あおにょうぼうよ くれのはる
• 暮の春    くれのはる
  季節: 春（晩春） 分類: 時候（時間）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.246

• いとはるゝ身を恨寝やくれの春
     いとわるる みをうらみねや くれのはる
• 暮の春    くれのはる
  季節: 春（晩春） 分類: 時候（時間）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.246

• 遅キ日や雉子の下りゐる橋の上
     おそきひや きじのおりいる はしのうえ
• 遅日    ちじつ
  季節: 春（三春） 分類: 時候（感覚）
• 平凡社 俳句歳時記 春
     p.45

• 遅き日のつもりて遠き昔哉
     おそきひの つもりてとおき むかしかな
• 遅日    ちじつ
  季節: 春（三春） 分類: 時候（感覚）
• 平凡社 俳句歳時記 春
     p.45

• 遅き日や谺聞ゆる京のすみ
     おそきひや こだまきこゆる きょうのすみ
• 遅日    ちじつ
  季節: 春（三春） 分類: 時候（感覚）
• 平凡社 俳句歳時記 春
     p.45

• 池田から炭くれし春の寒さかな
     いけだから すみくれしはるの さむさかな
• 春寒    はるさむ
  季節: 春（初春） 分類: 時候（感覚）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.81

• 關の戸の火鉢ちひさき余寒かな
     せきのとの ひばちちいさき よかんかな
• 余寒    よかん
  季節: 春（初春） 分類: 時候（感覚）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.81

• 春をしむ人や榎にかくれけり
     はるおしむ ひとやえのきに かくれけり
• 春惜む    はるおしむ
  季節: 春（晩春） 分類: 時候（感覚）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.247

• 行春や撰者を恨む歌の主
     ゆくはるや せんじゃをうらむ うたのぬし
• 行春    ゆくはる
  季節: 春（晩春） 分類: 時候（感覚）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.246

• ゆく春やおもたき琵琶の抱ごゝろ
     ゆくはるや おもたきびわの だきごころ
• 行春    ゆくはる
  季節: 春（晩春） 分類: 時候（感覚）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.246

• ゆく春や逡巡として遅ざくら
     ゆくはるや しゅんじゅんとして おそざくら
• 行春    ゆくはる
  季節: 春（晩春） 分類: 時候（感覚）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.246

• 山寺や撞そこなひの鐘霞む
     やまでらや つきそこないの かねかすむ
• 鐘霞む    かねかすむ
  季節: 春（三春） 分類: 天文（天空）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　春
     p.38

• 朧夜や人彳るなしの園
     おぼろよや ひとたたずめる なしのその
• 朧月夜    おぼろづきよ
  季節: 春（三春） 分類: 天文（天空）
• 平凡社 俳句歳時記 春
     p.37

• よき人を宿す小家や朧月
     よきひとを やどすこいえや おぼろづき
• 朧月    おぼろづき
  季節: 春（三春） 分類: 天文（天空）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.175

• 春月や印金堂の木の間より
     しゅんげつや いんきんどうの このまより
• 春の月    はるのつき
  季節: 春（三春） 分類: 天文（天空）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.174

• 花ぐもり朧につゞくゆふべかな
     はなぐもり おぼろにつづく ゆうべかな
• 花曇    はなぐもり
  季節: 春（晩春） 分類: 天文（天空）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　春
     p.244

• 春風や堤長うして家遠し
     はるかぜや つつみなごうして いえとおし
• 春風    はるかぜ
  季節: 春（三春） 分類: 天文（風）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.210

• 春風のつまかへしたり春曙抄
     はるかぜの つまかえしたり しゅんしょしょう
• 春風    はるかぜ
  季節: 春（三春） 分類: 天文（風）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.210

• 暖簾に東風吹く伊勢の出店かな
     のうれんに こちふくいせの でみせかな
• 東風    こち
  季節: 春（三春） 分類: 天文（風）
• 新潮文庫 新改訂版 俳諧歳時記 春
     p.37

• 春風のさす手ひく手や浮人形
     はるかぜの さすてひくてや うきにんぎょう
• 春風    はるかぜ
  季節: 春（三春） 分類: 天文（風）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.210

• 春雨やゆるい下駄貸す奈良の宿
     はるさめや ゆるいげたかす ならのやど
• 春雨    はるさめ
  季節: 春（三春） 分類: 天文（水）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.125

• しのゝめに小雨降出す焼野かな
     しののめに こさめふりだす やけのかな
• 焼野    やけの
  季節: 春（初春） 分類: 地理（山野）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.85

• 苗代や蔵馬の桜散りにけり
     なわしろや くらまのさくら ちりにけり
• 苗代    なわしろ
  季節: 春（晩春） 分類: 地理（田畑）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.231

• 春の海終日のたりのたりかな
     はるのうみ ひねもすのたり のたりかな
• 春の海    はるのうみ
  季節: 春（三春） 分類: 地理（水辺）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.186

• 春の水山なき国を流れけり
     はるのみず やまなきくにを ながれけり
• 春の水    はるのみず
  季節: 春（三春） 分類: 地理（水辺）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.107

• さむしろを畠に敷て梅見かな
     さむしろを はたけにしきて うめみかな
• 梅見    うめみ
  季節: 春（初春） 分類: 人事（行事）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.93

• 野とゝもに焼る地蔵のしきみかな
     のとともに やけるじぞうの しきみかな
• 野焼く    のやく
  季節: 春（初春） 分類: 人事（行事）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.84

• 初午や物種売に日の当る
     はつうまや ものたねうりに ひのあたる
• 初午    はつうま
  季節: 春（初春） 分類: 人事（行事）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.76

• 雛店の灯を引く頃や雨の音
     ひなみせの ひをひくころや あめのおと
• 雛市    ひないち
  季節: 春（仲春） 分類: 人事（行事）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　春
     p.232

• 花を踏し草履も見えて朝寝哉
     はなをふみし ぞうりもみえて あさねかな
• 朝寝    あさね
  季節: 春（三春） 分類: 人事（生活）
• 平凡社 俳句歳時記 春
     p.190

• 雛祭る都はづれや桃の月
     ひなまつる みやこはずれや もものつき
• 雛    ひな
  季節: 春（仲春） 分類: 人事（生活）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.99

• 蘆塞で立出る旅のいそぎかな
     ろふさいで たちでるたびの いそぎかな
• 盧塞    ろふさぎ
  季節: 春（仲春） 分類: 人事（生活）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.121

• 耕や鳥さへ啼ぬ山陰に
     たがやしや とりさえなかぬ やまかげに
• 耕    たがやし
  季節: 春（三春） 分類: 人事（労働）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.129

• 捨やらで柳さしけり雨のひま
     すてやらで やなぎさしけり あめのひま
• 挿木    さしき
  季節: 春（仲春） 分類: 人事（労働）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.144

• 垣越にものうちかたる接木かな
     かきごしに ものうちかたる つぎきかな
• 接木    つぎき
  季節: 春（仲春） 分類: 人事（労働）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.144

• よもすがら音なき雨や種俵
     よもすがら おとなきあめや たねだわら
• 種俵    たねだわら
  季節: 春（晩春） 分類: 人事（労働）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.230

• 一とせの茶も摘にけり父と母
     ひととせの ちゃもつみにけり ちちとはは
• 茶摘    ちゃつみ
  季節: 春（晩春） 分類: 人事（労働）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.234

• 凧きのふの空のありどころ
     いかのぼり きのうのそらの ありどころ
• 凧    たこ
  季節: 春（三春） 分類: 人事（娯楽）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.211

• なつかしき津守の里や田螺あへ
     なつかしき つもりのさとや たにしあえ
• 田螺和    たにしあえ
  季節: 春（三春） 分類: 人事（飲食）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.110

• 畑打や木の間の寺の鐘供養
     はたうちや このまのてらの かねくよう
• 鐘供養    かねくよう
  季節: 春（晩春） 分類: 宗教（仏教）
• 増補版 いちばんわかりやすい 俳句歳時記
     p.77

• 難波女や京を寒がる御忌詣
     なにわめや きょうをさむがる ぎょきもうで
• 御忌    ぎょき
  季節: 春（晩春） 分類: 宗教（仏教）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.221

• 鶯に終日遠し畑の人
     うぐいすに ひねもすとおし はたのひと
• 鶯    うぐいす
  季節: 春（三春） 分類: 動物（鳥類）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.94

• わか鮎や谷の小笹も一葉行
     わかあゆや たにのこざさも ひとはゆき
• 若鮎    わかあゆ
  季節: 春（仲春） 分類: 動物（魚類）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　春
     p.314