俳人 : 原石鼎 （はら せきてい）

• ちら／＼と空を梅ちり二月尽
     ちらちらと そらをうめちり にがつじん
• 二月尽    にがつじん
  季節: 春（初春） 分類: 時候（暦）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　春
     p.136

• かかる夜の雨に春立つ谷明り
     かかるよの あめにはるたつ たにあかり
• 立春    りっしゅん
  季節: 春（初春） 分類: 時候（暦）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　春
     p.134

• 切株に鶯とまる二月かな
     きりかぶに うぐいすとまる にがつかな
• 二月    にがつ
  季節: 春（初春） 分類: 時候（暦）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.74

• 椿掃きし瞳に蕊の輪や弥生尽
     つばきはきし めにしべのわや やよいじん
• 弥生尽    やよいじん
  季節: 春（晩春） 分類: 時候（暦）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　春
     p.251

• 芝山に日々風つのる四月かな
     しばやまに ひびかぜつのる しがつかな
• 四月    しがつ
  季節: 春（晩春） 分類: 時候（暦）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　春
     p.242

• 森を出て妙にも白し春の月
     もりをでて みょうにもしろし はるのつき
• 春の月    はるのつき
  季節: 春（三春） 分類: 天文（天空）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.175

• 春雷やどこかの遠に啼く雲雀
     しゅんらいや どこかのおちに なくひばり
• 春雷    しゅんらい
  季節: 春（三春） 分類: 天文（光）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　春
     p.46

• もろ／＼の木に降る春の霙かな
     もろもろの きにふるはるの みぞれかな
• 春の霙    はるのみぞれ
  季節: 春（三春） 分類: 天文（水）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　春
     p.48

• やまの娘に見られし二日灸かな
     やまのこに みられしふつか やいとかな
• 二日灸    ふつかきゅう
  季節: 春（仲春） 分類: 人事（健康）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.98

• うす／＼と幾つもあげぬ石鹸玉
     うすうすと いくつもあげぬ しゃぼんだま
• 石鹸玉    しゃぼんだま
  季節: 春（三春） 分類: 人事（娯楽）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　春
     p.123

• 花会式かへりは国栖に宿らんか
     はなえしき かえりはくずに やどらんか
• 吉野の花会式    よしののはなえしき
  季節: 春（晩春） 分類: 宗教（仏教）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　春
     p.360

• 春鹿の眉ある如く人を見し
     はるじかの まゆあるごとく ひとをみし
• 孕鹿    はらみじか
  季節: 春（三春） 分類: 動物（哺乳類）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.203

• 春の鶏孟宗藪のかたへより
     はるのとり もうそうやぶの かたえより
• 春の鳥    はるのとり
  季節: 春（三春） 分類: 動物（鳥類）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　春
     p.55

• 何万の引鴨と舸夫の言ひあいぬ
     なんまんの ひきがもとかこの いいあいぬ
• 引鴨    ひきがも
  季節: 春（仲春） 分類: 動物（鳥類）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　春
     p.174

• 白魚の小さき顔をもてりけり
     しらうおの ちいさきかおを もてりけり
• 白魚    しらうお
  季節: 春（三春） 分類: 動物（魚類）
• 平凡社 俳句歳時記 春
     p.390

• やま人と蜂戦へるけなげかな
     やまびとと はちたたかえる けなげかな
• 蜂    はち
  季節: 春（三春） 分類: 動物（昆虫等）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.217

• 春の蚤うすべり這うてかくれけり
     はるののみ うすべりほうて かくれけり
• 春の蚤    はるののみ
  季節: 春（晩春） 分類: 動物（昆虫等）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　春
     p.254

• 蜂の巣をもやす夜のあり谷向ひ
     はちのすを もやすよのあり たにむかい
• 蜂の巣    はちのす
  季節: 春（晩春） 分類: 動物（昆虫等）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.218

• 花烏賊の腸ぬくためや女の手
     はないかの わたぬくためや おんなのて
• 花烏賊    はないか
  季節: 春（晩春） 分類: 動物（水生生物）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.186

• 柿の木の幹の黒さや韮の雨
     かきのきの みきのくろさや にらのあめ
• 韮    にら
  季節: 春（仲春） 分類: 植物（キジカクシ目）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.143

• 黄梅や白雲杉にこぞる迫
     おうばいや はくうんすぎに こぞるさこ
• 黄梅    おうばい
  季節: 春（初春） 分類: 植物（バラ目）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　春
     p.139

• 山腹をすれ来る日ありひこばゆる
     さんぷくを すれくるひあり ひこばゆる
• 蘖    ひこばえ
  季節: 春（晩春） 分類: 植物（総称）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　春
     p.263

• 初夏や蝶に目やれば近き山
     はつなつや ちょうにめやれば ちかきやま
• 初夏    しょか
  季節: 夏（初夏） 分類: 時候（暦）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.252

• 烈日やころげし雹に草の影
     れつじつや ころげしひょうに くさのかげ
• 雹    ひょう
  季節: 夏（三夏） 分類: 天文（水）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.371

• 掌に掬へば色なき水や夏の海
     てにすくえば いろなきみずや なつのうみ
• 夏の海    なつのうみ
  季節: 夏（三夏） 分類: 地理（水辺）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　夏
     p.115

• 死にしふりして蟹あはれ土用浪
     しにしふり してかにあわれ どようなみ
• 土用浪    どようなみ
  季節: 夏（晩夏） 分類: 地理（水辺）
• 平凡社 俳句歳時記 夏
     p.126

• 満ち汐にすでに灯つらね川開
     みちしおに すでにひつらね かわびらき
• 川開    かわびらき
  季節: 夏（晩夏） 分類: 人事（行事）
• 角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記　夏
     p.127

• 心地よき腹の痛みや暑気くだし
     ここちよき はらのいたみや しょきくだし
• 暑気払ひ    しょきはらい
  季節: 夏（晩夏） 分類: 人事（生活）
• 角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記　夏
     p.131

• 夜振過ぐや淡々として垣の外
     よぶりすぐや たんたんとして かきのそと
• 夜振    よぶり
  季節: 夏（三夏） 分類: 人事（狩猟）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.335

• しろ／"＼と古き浴衣やひとり者
     しろじろと ふるきゆかたや ひとりもの
• 浴衣    ゆかた
  季節: 夏（三夏） 分類: 人事（衣服）
• 平凡社 俳句歳時記 夏
     p.201

• 山門の日に老鶯のこだまかな
     さんもんの ひにろうおうの こだまかな
• 老鶯    おいうぐいす
  季節: 夏（三夏） 分類: 動物（鳥類）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.353

• 緋目高のつゝいてゐるよ蓮の茎
     ひめだかの つついているよ はすのくき
• 目高    めだか
  季節: 夏（三夏） 分類: 動物（魚類）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.328

• 山の色釣り上げし鮎に動くかな
     やまのいろ つりあげしあゆに うごくかな
• 鮎    あゆ
  季節: 夏（三夏） 分類: 動物（魚類）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.333

• 軒の蜘蛛袋をさげて渉りけり
     のきのくも ふくろをさげて わたりけり
• 袋蜘蛛    ふくろぐも
  季節: 夏（三夏） 分類: 動物（昆虫等）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.344

• 炎帝の下さわやかに蛭泳ぐ
     えんていの したさわやかに ひるおよぐ
• 蛭    ひる
  季節: 夏（三夏） 分類: 動物（昆虫等）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.327

• 音たてて落ちてみどりや落し文
     おとたてて おちてみどりや おとしぶみ
• 落し文    おとしぶみ
  季節: 夏（三夏） 分類: 動物（昆虫等）
• 角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記　夏
     p.177

• 葉と落ちて紫金まどかや金亀子
     はとおちて しこんまどかや こがねむし
• 金亀子    こがねむし
  季節: 夏（三夏） 分類: 動物（昆虫等）
• 平凡社 俳句歳時記 夏
     p.476

• 蝉生まれ石ある方へ這ひにけり
     せみうまれ いしあるほうへ はいにけり
• 蝉生る    せみうまる
  季節: 夏（仲夏） 分類: 動物（昆虫等）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　夏
     p.279

• 水無月の枯葉相つぐ梧桐かな
     みなづきの かれはあいつぐ ごとうかな
• 青桐    あおぎり
  季節: 夏（三夏） 分類: 植物（アオイ目）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　夏
     p.46

• 桶の茄子こと／"＼く水をはじきけり
     おけのなす ことごとくみずを はじきけり
• 茄子    なすび
  季節: 夏（晩夏） 分類: 植物（ナス目）
• 角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記　夏
     p.240

• 雨ふゝむ葉の重みして若楓
     あめふふむ はのおもみして わかかえで
• 若楓    わかかえで
  季節: 夏（初夏） 分類: 植物（ムクロジ目）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　夏
     p.203

• 雲二つ割れて又集るそゞろ寒
     くもふたつ われてまたよる そぞろさむ
• そぞろ寒    そぞろさむ
  季節: 秋（晩秋） 分類: 時候（感覚）
• 増補版 いちばんわかりやすい 俳句歳時記
     p.253

• 山畑に月すさまじくなりにけり
     やまはたに つきすさまじく なりにけり
• 冷まじ    すさまじ
  季節: 秋（晩秋） 分類: 時候（感覚）
• 角川ソフィア文庫 第4版増補 俳句歳時記　秋
     p.28

• 蔓踏んで一山の露動きけり
     つるふんで いちざんのつゆ うごきけり
• 露    つゆ
  季節: 秋（三秋） 分類: 天文（水）
• ハンディ版 入門歳時記 新版
     p.375

• 月うらとなる山越や露時雨
     つきうらと なるやまごえや つゆしぐれ
• 露時雨    つゆしぐれ
  季節: 秋（晩秋） 分類: 天文（水）
• 平凡社 俳句歳時記 秋
     p.131

• 情ありて言葉寡なや月の友
     じょうありて ことばすくなや つきのとも
• 月見    つきみ
  季節: 秋（仲秋） 分類: 人事（行事）
• よくわかる 俳句歳時記
     p.296

• 淋しさにまた銅鑼うつや鹿火屋守
     さびしさに またどらうつや かびやもり
• 鹿火屋    かびや
  季節: 秋（三秋） 分類: 人事（生活）
• 角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記　秋
     p.75

• 葛引くや朽ちて落ちたる山筧
     くずひくや くちておちたる やまかけい
• 葛掘る    くずほる
  季節: 秋（三秋） 分類: 人事（労働）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　秋
     p.314

• 色鳥に乾きてかろし松ふぐり
     いろどりに かわきてかろし まつふぐり
• 色鳥    いろどり
  季節: 秋（三秋） 分類: 動物（鳥類）
• 増補版 いちばんわかりやすい 俳句歳時記
     p.301

• 空山へ板一枚を荻の橋
     くうざんへ いたいちまいを おぎのはし
• 荻    おぎ
  季節: 秋（三秋） 分類: 植物（イネ目）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　秋
     p.91