俳人 : 加藤暁台 （かとう きょうたい）

• 鳥声を呑んで地にあり春の雲
     とりこえを のんでちにあり はるのくも
• 春の雲    はるのくも
  季節: 春（三春） 分類: 天文（天空）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　春
     p.36

• 日の春のちまたは風の光り哉
     ひのはるの ちまたはかぜの ひかりかな
• 風光る    かぜひかる
  季節: 春（三春） 分類: 天文（光）
• 平凡社 俳句歳時記 春
     p.78

• 馬の尾をむすび揚げたる雪間かな
     うまのおを むすびあげたる ゆきまかな
• 雪間    ゆきま
  季節: 春（初春） 分類: 地理（山野）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.80

• 烏賊の墨ながるゝ小家の節句哉
     いかのすみ ながるるこいえの せっくかな
• 桃の節句    もものせっく
  季節: 春（仲春） 分類: 人事（行事）
• 平凡社 俳句歳時記 春
     p.147

• 夕がほの種ううや誰古やしき
     ゆうがおの たねううやたが ふるやしき
• 夕顔蒔く    ゆうがおまく
  季節: 春（仲春） 分類: 人事（労働）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.132

• 信楽の茶うりがさげし干鱈かな
     しがらきの ちゃうりがさげし ひだらかな
• 干鱈    ひだら
  季節: 春（三春） 分類: 人事（飲食）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　春
     p.114

• やすらひの花よ踏れなあとなる子
     やすらいの はなよふまれな あとなるこ
• 安良居祭    やすらいまつり
  季節: 春（晩春） 分類: 宗教（神道）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　春
     p.359

• 古草やはるをりをりは雪の露
     ふるくさや はるおりおりは ゆきのつゆ
• 古草    ふるくさ
  季節: 春（晩春） 分類: 植物（総称）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　春
     p.285

• かたびらに松葉さゝるゝ空寝哉
     かたびらに まつばささるる そらねかな
• 帷子    かたびら
  季節: 夏（晩夏） 分類: 人事（衣服）
• 平凡社 俳句歳時記 夏
     p.204

• 塩鳥の歯にこたへたり冷しさけ
     しおどりの はにこたえけり ひやしさけ
• 冷酒    ひやざけ
  季節: 夏（三夏） 分類: 人事（飲食）
• 平凡社 俳句歳時記 夏
     p.313

• 追かけよ五串にかゝるひやし瓜
     おいかけよ ごくしにかかる ひやしうり
• 冷し瓜    ひやしうり
  季節: 夏（三夏） 分類: 人事（飲食）
• 平凡社 俳句歳時記 夏
     p.339

• 蝙蝠や月の辺を立ちさらず
     かわほりや つきのあたりを たちさらず
• 蝙蝠    こうもり
  季節: 夏（三夏） 分類: 動物（哺乳類）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.350

• 水札の子の浅田にわたる夕哉
     けりのこの あさだにわたる ゆうべかな
• 鳧    けり
  季節: 夏（三夏） 分類: 動物（鳥類）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　夏
     p.92

• 蛇の衣ぬぎかけし薄かな
     くちなわの きぬぬぎかけし うすさかな
• 蛇の衣    へびのきぬ
  季節: 夏（仲夏） 分類: 動物（爬虫類）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.366

• 夕雨やをかに出揃ふ蟹の穴
     ゆうさめや おかにでそろう かにのあな
• 蟹    かに
  季節: 夏（三夏） 分類: 動物（甲殻類）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　夏
     p.128

• 黒塚や蚋旅人を追ひまはる
     くろづかや ぶとたびびとを おいまわる
• 蚋    ぶと
  季節: 夏（三夏） 分類: 動物（昆虫等）
• 平凡社 俳句歳時記 夏
     p.485

• 桐の花寺は桂の町はづれ
     きりのはな てらはかつらの まちはずれ
• 桐の花    きりのはな
  季節: 夏（初夏） 分類: 植物（シソ目）
• 平凡社 俳句歳時記 夏
     p.574

• 蚊柱や棗の花の咲くあたり
     かばしらや なつめのはなの さくあたり
• 棗の花    なつめのはな
  季節: 夏（初夏） 分類: 植物（バラ目）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　夏
     p.377

• 九月尽はるかに能登の岬かな
     くがつじん はるかにのとの みさきかな
• 九月尽    くがつじん
  季節: 秋（仲秋） 分類: 時候（暦）
• 角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記　秋
     p.33

• 雲起て寺門を出づる秋の声
     くもおきて じもんをいずる あきのこえ
• 秋の声    あきのこえ
  季節: 秋（三秋） 分類: 時候（感覚）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.576

• 椎の実の板屋を走る夜寒かな
     しいのみの いたやをはしる よさむかな
• 夜寒    よさむ
  季節: 秋（晩秋） 分類: 時候（感覚）
• 角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記　秋
     p.30

• 二日咲く木槿と成りて朝寒し
     ふつかさく むくげとなりて あささむし
• 朝寒    あささむ
  季節: 秋（晩秋） 分類: 時候（感覚）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.611

• あら海や波をはなれて秋の雲
     あらうみや なみをはなれて あきのくも
• 秋の雲    あきのくも
  季節: 秋（三秋） 分類: 天文（天空）
• 角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記　秋
     p.37

• 蠅たゞに死ぬ日を見たり秋曇
     はえただに しぬひをみたり あきぐもり
• 秋陰    しゅういん
  季節: 秋（三秋） 分類: 天文（光）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　秋
     p.41

• 秋の雨ものうき顔にかかるなり
     あきのあめ ものうきかおに かかるなり
• 秋の雨    あきのあめ
  季節: 秋（三秋） 分類: 天文（水）
• 角川ソフィア文庫 第4版増補 俳句歳時記　秋
     p.45

• 秋の山ところ／" ＼に煙立つ
     あきのやま ところどころに けむりたつ
• 秋の山    あきのやま
  季節: 秋（三秋） 分類: 地理（山野）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.573

• 茫々と芒折れ伏す秋の水
     ぼうぼうと すすきおれふす あきのみず
• 秋の水    あきのみず
  季節: 秋（三秋） 分類: 地理（水辺）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.570

• 秋の涛星うちかくす折もあり
     あきのなみ ほしうちかくす おりもあり
• 秋の海    あきのうみ
  季節: 秋（三秋） 分類: 地理（水辺）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　秋
     p.93

• 猪垣のむすびめきれて秋の風
     ししがきの むすびめきれて あきのかぜ
• 鹿垣    ししがき
  季節: 秋（三秋） 分類: 人事（生活）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　秋
     p.105

• 草枕故郷の人の盆会かな
     くさまくら こきょうのひとの ぼんえかな
• 盂蘭盆    うらぼん
  季節: 秋（初秋） 分類: 宗教（仏教）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.488

• 秋の蚊や香の煙の前を行く
     あきのかや こうのけむりの まえをゆく
• 秋の蚊    あきのか
  季節: 秋（三秋） 分類: 動物（昆虫等）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.549

• 蜩の啼けば瓢の花落ちぬ
     ひぐらしの なけばひさごの はなおちぬ
• 蜩    ひぐらし
  季節: 秋（初秋） 分類: 動物（昆虫等）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.499

• あと先に人声遠し柿紅葉
     あとさきに ひとごえとおし かきもみじ
• 柿紅葉    かきもみじ
  季節: 秋（晩秋） 分類: 植物（ツツジ目）
• 角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記　秋
     p.165

• 海の音一日遠き小春かな
     うみのおと いちにちとおき こはるかな
• 小春    こはる
  季節: 冬（初冬） 分類: 時候（暦）
• ハンディ版 入門歳時記 新版
     p.484

• 川中に川一すぢや冬の色
     かわなかに かわひとすじや ふゆのいろ
• 冬景色    ふゆげしき
  季節: 冬（三冬） 分類: 地理（山野）
• 新版 角川俳句大歳時記 冬
     p.149

• なやらふや今宵しのぶの恋もあらむ
     なやらうや こよいしのぶの こいもあらむ
• 追儺    ついな
  季節: 冬（晩冬） 分類: 宗教（神道）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.68

• 人をさへなつかし気なり雪のしか
     ひとをさえ なつかしげなり ゆきのしか
• 冬の鹿    ふゆのしか
  季節: 冬（三冬） 分類: 動物（哺乳類）
• 平凡社 俳句歳時記 冬
     p.411

• 鏡餅母在して猶父恋し
     かがみもち ははましてなお ちちこいし
• 鏡餅    かがみもち
  季節: 新年（新年） 分類: 人事（生活）
• ハンディ版 入門歳時記 新版
     p.622