俳人 : 後藤比奈夫 （ごとう ひなお）

• 稚鮎汲む安曇の四つ手の上りたる
     ちあゆくむ あどのよつでの のぼりたる
• 鮎汲    あゆくみ
  季節: 春（仲春） 分類: 人事（狩猟）
• 角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記　春
     p.80

• 夜はねむい子にアネモネは睡い花
     よはねむい こにあねもねは ねむいはな
• アネモネ    あねもね
  季節: 春（晩春） 分類: 植物（キンポウゲ目）
• 角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記　春
     p.183

• 花了へてひとしほ一人静かな
     はなおえて ひとしおひとり しずかかな
• 一人静    ひとりしずか
  季節: 春（晩春） 分類: 植物（コショウ目）
• 角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記　春
     p.209

• はつきりと咲いてゐしかば霞草
     はっきりと さいていしかば かすみそう
• 霞草    かすみそう
  季節: 春（晩春） 分類: 植物（ナデシコ目）
• 角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記　春
     p.187

• 雪消える方へ傾き雪間草
     ゆききえる ほうへかたむき ゆきまぐさ
• 雪間草    ゆきまぐさ
  季節: 春（仲春） 分類: 植物（総称）
• 角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記　春
     p.197

• 夏潮に雨は一粒づつ刺さる
     なつしおに あめはひとつぶ ずつささる
• 夏の潮    なつのしお
  季節: 夏（三夏） 分類: 地理（水辺）
• 角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記　夏
     p.56

• 水遊とはだんだんに濡れること
     みずあそび とはだんだんに ぬれること
• 水遊    みずあそび
  季節: 夏（三夏） 分類: 人事（娯楽）
• 角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記　夏
     p.113

• 港出てヨツト淋しくなりにゆく
     みなとでて よっとさびしく なりにゆく
• ヨット    よっと
  季節: 夏（三夏） 分類: 人事（スポーツ）
• 角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記　夏
     p.108

• サングラス掛けて妻にも行くところ
     さんぐらす かけてつまにも いくところ
• サングラス    さんぐらす
  季節: 夏（晩夏） 分類: 人事（衣服）
• 角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記　夏
     p.66

• ががんぼの脚狼狽へるため長し
     ががんぼの あしうろたえる ためながし
• ががんぼ    ががんぼ
  季節: 夏（三夏） 分類: 動物（昆虫等）
• 角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記　夏
     p.182

• 風蘭に隠れし風の見えにけり
     ふうらんに かくれしかぜの みえにけり
• 風蘭    ふうらん
  季節: 夏（晩夏） 分類: 植物（キジカクシ目）
• 角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記　夏
     p.250

• きりもなくふえて踊子草となる
     きりもなく ふえておどりこ そうとなる
• 踊子草    おどりこそう
  季節: 夏（初夏） 分類: 植物（シソ目）
• 角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記　夏
     p.258

• 睡蓮の水に二時の日三時の日
     すいれんの みずににじのひ さんじのひ
• 睡蓮    すいれん
  季節: 夏（晩夏） 分類: 植物（スイレン目）
• 角川ソフィア文庫 第4版増補 俳句歳時記　夏
     p.215

• 新藷の赤の火照つてをりにけり
     しんいもの あかのほてって おりにけり
• 新藷    しんいも
  季節: 夏（晩夏） 分類: 植物（ナス目）
• 角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記　夏
     p.241

• こんな赤にもなれますと縷紅草
     こんなあかにも なれますと るこうそう
• 縷紅草    るこうそう
  季節: 夏（晩夏） 分類: 植物（ナス目）
• 角川ソフィア文庫 第4版増補 俳句歳時記　夏
     p.217

• 釣竿の先の暗さも秋の潮
     つりざおの さきのくらさも あきのしお
• 秋の潮    あきのしお
  季節: 秋（三秋） 分類: 地理（水辺）
• 角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記　秋
     p.60

• ともし火と砧の音のほか洩れず
     ともしびと きぬたのおとの ほかもれず
• 砧    きぬた
  季節: 秋（晩秋） 分類: 人事（労働）
• 角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記　秋
     p.80

• ポケットに海螺の重さや海螺を打つ
     ぽけっとに ばいのおもさや ばいをうつ
• 海螺廻し    ばいまわし
  季節: 秋（晩秋） 分類: 人事（娯楽）
• 角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記　秋
     p.89

• 鹿寄せの喇叭夕べは長く吹く
     しかよせの らっぱゆうべは ながくふく
• 角切    つのきり
  季節: 秋（仲秋） 分類: 人事（飲食）
• 角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記　秋
     p.103

• 花透けてきて出来上る菊膾
     はなすけて きてできあがる きくなます
• 菊膾    きくなます
  季節: 秋（晩秋） 分類: 人事（飲食）
• 角川ソフィア文庫 第4版増補 俳句歳時記　秋
     p.61

• 底紅の花に傅く忌日かな
     そこべにの はなにかしずく きじつかな
• 夜半忌    やはんき
  季節: 秋（初秋） 分類: 宗教（忌日）
• 角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記　秋
     p.116

• 鶴の来るために大空あけて待つ
     つるのくる ためにおおぞら あけてまつ
• 鶴来る    つるきたる
  季節: 秋（晩秋） 分類: 動物（鳥類）
• 角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記　秋
     p.131

• 木犀の匂の中ですれ違ふ
     もくせいの においのなかで すれちがう
• 木犀    もくせい
  季節: 秋（晩秋） 分類: 植物（シソ目）
• 角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記　秋
     p.151

• 水引の花の人目を避くる紅
     みずひきの はなのひとめを さくるべに
• 水引の花    みずひきのはな
  季節: 秋（初秋） 分類: 植物（ナデシコ目）
• 角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記　秋
     p.217

• 殉教の土の暗さに時鳥草
     じゅんきょうの つちのくらさに ほととぎす
• 時鳥草    ほととぎすそう
  季節: 秋（仲秋） 分類: 植物（ユリ目）
• 角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記　秋
     p.218

• 初陣の功の如くに初紅葉
     ういじんの こうのごとくに はつもみじ
• 初紅葉    はつもみじ
  季節: 秋（仲秋） 分類: 植物（総称）
• 角川ソフィア文庫 第4版増補 俳句歳時記　秋
     p.146

• 三年は囲ふつもりの味噌を搗く
     さんねんは かこうつもりの みそをつく
• 味噌搗    みそつき
  季節: 冬（三冬） 分類: 人事（生活）
• 角川ソフィア文庫 第4版増補 俳句歳時記　新年
     p.114

• いちまいの毛皮が人をいつくしむ
     いちまいの けがわがひとを いつくしむ
• 毛皮    けがわ
  季節: 冬（三冬） 分類: 人事（衣服）
• 角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記　冬
     p.75

• 雪蓑の藁のどこからでも出る手
     ゆきみのの わらのどこから でもでるて
• 雪合羽    ゆきがっぱ
  季節: 冬（晩冬） 分類: 人事（衣服）
• 角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記　冬
     p.77

• 蓬莱を掛けて隠るる古柱
     ほうらいを かけてかくるる ふるばしら
• 蓬莱    ほうらい
  季節: 新年（新年） 分類: 人事（行事）
• 角川ソフィア文庫 第4版増補 俳句歳時記　新年
     p.29

• 穂俵に乾ける塩のめでたさよ
     ほだわらに かわけるしおの めでたさよ
• 穂俵飾る    ほだわらかざる
  季節: 新年（新年） 分類: 人事（生活）
• 角川ソフィア文庫 第4版増補 俳句歳時記　新年
     p.32

• 日本の仮名美しき歌留多かな
     にっぽんの かなうつくしき かるたかな
• 歌留多    かるた
  季節: 新年（新年） 分類: 人事（娯楽）
• ハンディ版 入門歳時記 新版
     p.629

• 双六の振出しといふ初心あり
     すごろくの ふりだしとゆう しょしんあり
• 双六    すごろく
  季節: 新年（新年） 分類: 人事（娯楽）
• ハンディ版 入門歳時記 新版
     p.630