俳人 : 村上鬼城 （むらかみ きじょう）

• 夏籠や月ひそやかに山の上
     げごもりや つきひそやかに やまのうえ
• 安居    あんご
  季節: 夏（三夏） 分類: 宗教（仏教）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　夏
     p.142

• 烏の子一羽になりて育ちけり
     からすのこ いちわになりて そだちけり
• 烏の子    からすのこ
  季節: 夏（三夏） 分類: 動物（鳥類）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.318

• 菱の中に日向ありけり目高浮く
     ひしのなかに ひなたありけり めだかうく
• 目高    めだか
  季節: 夏（三夏） 分類: 動物（魚類）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　夏
     p.104

• まひ／＼や深く澄みたる石二つ
     まいまいや ふかくすみたる いしふたつ
• まひ／＼    まいまい
  季節: 夏（三夏） 分類: 動物（昆虫等）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.327

• 水すまし水に跳ねて水鉄の如し
     みずすまし みずにはねてみず てつのごとし
• あめんぼう    あめんぼう
  季節: 夏（三夏） 分類: 動物（昆虫等）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.328

• たまの緒の絶えし玉虫美しき
     たまのおの たえしたまむし うつくしき
• 玉虫    たまむし
  季節: 夏（晩夏） 分類: 動物（昆虫等）
• 角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記　夏
     p.175

• 浮草や蜘蛛渡りゐて水平
     うきくさや くもわたりいて みずたいら
• 萍    うきくさ
  季節: 夏（三夏） 分類: 植物（オモダカ目）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.329

• わら家根や一八咲いて橋の下
     わらやねや いちはつさいて はしのした
• 一八    いちはつ
  季節: 夏（仲夏） 分類: 植物（キジカクシ目 ）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.292

• 嵐して起きも直らず胡麻の花
     あらしして おきもなおらず ごまのはな
• 胡麻の花    ごまのはな
  季節: 夏（晩夏） 分類: 植物（シソ目）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.461

• 茗荷汁にうつりて淋し己が顔
     みょうがじるに うつりてさびし おのがかお
• 茗荷の子    みょうがのこ
  季節: 夏（晩夏） 分類: 植物（ショウガ目）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.465

• 青柿や虫葉も見えで四つ五つ
     あおがきや むしはもみえで よついつつ
• 青柿    あおがき
  季節: 夏（晩夏） 分類: 植物（ツツジ目）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　夏
     p.388

• じやが芋の花に屯田の詩を謡ふ
     じゃがいもの はなにとんでんの しをうたう
• 馬鈴薯の花    じゃがいものはな
  季節: 夏（仲夏） 分類: 植物（ナス目）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.364

• 焼跡やあかざの中の蔵住ひ
     やけあとや あかざのなかの くらずまい
• 藜    あかざ
  季節: 夏（三夏） 分類: 植物（ナデシコ目）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　夏
     p.78

• 仙人掌の奇峰を愛す座右哉
     さぼてんの きほうをあいす ざゆうかな
• 仙人掌    さぼてん
  季節: 夏（晩夏） 分類: 植物（ナデシコ目）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.468

• 桑の実や二つ三つ食ひて甘かつし
     くわのみや ふたつみつくいて あまかつし
• 桑の実    くわのみ
  季節: 夏（仲夏） 分類: 植物（バラ目）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.313

• 黐ちるや蟇こもりゐる垣の下
     もちちるや ひきこもりいる かきのした
• 黐の花    もちのはな
  季節: 夏（仲夏） 分類: 植物（モチノキ目）
• 平凡社 俳句歳時記 夏
     p.583

• 蓮の葉や波定まりて二三枚
     はすのはや なみさだまりて にさんまい
• 蓮の浮葉    はすのうきは
  季節: 夏（初夏） 分類: 植物（ヤマモガシ目）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.328

• 大岩にはえて一本忍かな
     おおいわに はえていっぽん しのぶかな
• 忍    しのぶ
  季節: 夏（三夏） 分類: 植物（羊歯類）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　夏
     p.81

• 苔さくや親にわかれて二十年
     こけさくや おやにわかれて にじゅうねん
• 苔の花    こけのはな
  季節: 夏（仲夏） 分類: 植物（苔類）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.308

• 夏草を這い上りたる捨蚕かな
     なつくさを はいあがりたる すてごかな
• 夏草    なつくさ
  季節: 夏（三夏） 分類: 植物（総称）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.361

• 乾瓢や水引かけてお中元
     かんぴょうや みずひきかけて おちゅうげん
• 中元    ちゅうげん
  季節: 秋（初秋） 分類: 時候（暦）
• 平凡社 俳句歳時記 秋
     p.172

• 仲秋や夕日の岡の鱗雲
     ちゅうしゅうや ゆうひのおかの うろこぐも
• 仲秋    ちゅうしゅう
  季節: 秋（仲秋） 分類: 時候（暦）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　秋
     p.212

• 蛤に雀の斑あり哀れかな
     はまぐりに すずめのふあり あわれかな
• 雀蛤となる    すずめはまぐりとなる
  季節: 秋（晩秋） 分類: 時候（暦）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　秋
     p.278

• 灯を消して夜を深うしぬ秋の声
     ひをけして よをふこうしぬ あきのこえ
• 秋の声    あきのこえ
  季節: 秋（三秋） 分類: 時候（感覚）
• ハンディ版 入門歳時記 新版
     p.412

• 痩馬のあはれ機嫌や秋高し
     やせうまの あわれきげんや あきたかし
• 秋高し    あきたかし
  季節: 秋（三秋） 分類: 天文（天空）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.572

• 船中の寝覚めに聞くや秋の雷
     ふななかの ねざめにきくや あきのらい
• 秋の雷    あきのらい
  季節: 秋（初秋） 分類: 天文（天空）
• 平凡社 俳句歳時記 秋
     p.116

• 淋しさや閨にさし入る居待月
     さびしさや ねやにさしいる いまちづき
• 居待月    いまちづき
  季節: 秋（仲秋） 分類: 天文（天空）
• 平凡社 俳句歳時記 秋
     p.85

• 秋耕や四山雲なく大平ら
     しゅうこうや しさんくもなく おおたいら
• 秋耕    しゅうこう
  季節: 秋（三秋） 分類: 人事（労働）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.618

• 草庵に二人法師やむかご飯
     そうあんに ふたりほうしや むかごめし
• 零余子飯    ぬかごめし
  季節: 秋（晩秋） 分類: 人事（飲食）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.616

• 魂棚の見えて淋しき昼寝かな
     たまだなの みえてさびしき ひるねかな
• 霊棚    たまだな
  季節: 秋（初秋） 分類: 宗教（仏教）
• 増補版 いちばんわかりやすい 俳句歳時記
     p.283

• 送火やいつかは死んで後絶えん
     おくりびや いつかはしんで あとたえん
• 送火    おくりび
  季節: 秋（初秋） 分類: 宗教（仏教）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.496

• 放生会べに紐かけて雀籠
     ほうじょうえ べにひもかけて すずめかご
• 放生会    ほうじょうえ
  季節: 秋（仲秋） 分類: 宗教（神道）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.536

• 糸瓜忌や俳諧帰するところあり
     へちまきや はいかいきする ところあり
• 子規忌    しきき
  季節: 秋（仲秋） 分類: 宗教（忌日）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.546

• せきれいの居るともなくて波白し
     せきれいの おるともなくて なみしろし
• 鶺鴒    せきれい
  季節: 秋（三秋） 分類: 動物（鳥類）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.594

• 稲雀ぐわらん／ ＼と銅鑼が鳴る
     いなすずめ がらんがらんと どらがなる
• 稲雀    いなすずめ
  季節: 秋（三秋） 分類: 動物（鳥類）
• 角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記　秋
     p.125

• 網打のしぼりよせたる鱸かな
     あみうちの しぼりよせたる すずきかな
• 鱸    すずき
  季節: 秋（三秋） 分類: 動物（魚類）
• 角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記　秋
     p.133

• 蟷螂に負けて吼立つ小犬かな
     とうろうに まけてほえたつ こいぬかな
• 蟷螂    とうろう
  季節: 秋（三秋） 分類: 動物（昆虫等）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.535

• 高浪をくゞりて秋の蝶黃なり
     たかなみを くぐりてあきの ちょうきなり
• 秋の蝶    あきのちょう
  季節: 秋（三秋） 分類: 動物（昆虫等）
• 角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記　秋
     p.137

• 街道をきち／＼と飛ぶばったかな
     かいどうを きちきちととぶ ばったかな
• ばった    ばった
  季節: 秋（初秋） 分類: 動物（昆虫等）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.584

• 月さして秋蚕すみたる飼屋かな
     つきさして あきごすみたる かいやかな
• 秋蚕    あきご
  季節: 秋（仲秋） 分類: 動物（昆虫等）
• 平凡社 俳句歳時記 秋
     p.416

• ほの赤く掘起しけり薩摩芋
     ほのあかく ほりおこしけり さつまいも
• 甘藷    かんしょ
  季節: 秋（仲秋） 分類: 植物（ナス目）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.614

• 新しき箕して乾したる棗かな
     あたらしき みしてほしたる なつめかな
• 棗    なつめ
  季節: 秋（初秋） 分類: 植物（バラ目）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.625

• 樫の実の落ちて駈け寄る鶏三羽
     かしのみの おちてかけよる とりさんわ
• 樫の実    かしのみ
  季節: 秋（晩秋） 分類: 植物（ブナ目）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.622

• 畔豆に鼬の遊ぶ夕べかな
     あぜまめに いたちのあそぶ ゆうべかな
• 大豆    だいず
  季節: 秋（初秋） 分類: 植物（マメ目）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　秋
     p.174

• 茨の実を食うて遊ぶ子哀なり
• 茨の実    いばらのみ
  季節: 秋（晩秋） 分類: 植物（総称）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.633

• いささかの金欲しがりぬ年の暮
     いささかの かねほしがりぬ としのくれ
• 年の暮    としのくれ
  季節: 冬（仲冬） 分類: 時候（暦）
• ハンディ版 入門歳時記 新版
     p.569

• いささかの借もをかしや大三十日
     いささかの かりもおかしや おおみそか
• 大晦日    おおみそか
  季節: 冬（仲冬） 分類: 時候（暦）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.765

• よく光る高嶺の星や寒の入り
     よくひかる たかねのほしや かんのいり
• 寒の入    かんのいり
  季節: 冬（晩冬） 分類: 時候（暦）
• 角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記　冬
     p.27

• 寒き夜や折れ曲りたる北斗星
     さむきよや おれまがりたる ほくとせい
• 冬の夜    ふゆのよ
  季節: 冬（三冬） 分類: 時候（時間）
• 平井照敏編 新歳時記 冬
     p.28

• 大石や二つに割れて冬ざるる
     おおいしや ふたつにわれて ふゆざるる
• 冬ざれ    ふゆざれ
  季節: 冬（三冬） 分類: 時候（感覚）
• ハンディ版 入門歳時記 新版
     p.499