俳人 : 松尾芭蕉 （まつお ばしょう）

• 世の夏や湖水にうかむ浪の上
     よのなつや こすいにうかむ なつのうえ
• 夏    なつ
  季節: 夏（三夏） 分類: 時候（暦）
• 平凡社 俳句歳時記 夏
     p.5

• 六月や峰に雲置くあらし山
     ろくがつや みねにくもおく あらしやま
• 六月    ろくがつ
  季節: 夏（仲夏） 分類: 時候（暦）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.289

• 笠しまはいづこ五月のぬかり道
     かさしまは いずこさつきの ぬかりみち
• 皐月    さつき
  季節: 夏（仲夏） 分類: 時候（暦）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　夏
     p.258

• 降る音や耳も酸うなる梅の雨
     ふるおとや みみもすうなる うめのあめ
• 梅雨    つゆ
  季節: 夏（仲夏） 分類: 時候（暦）
• 角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記　夏
     p.43

• 夏の夜や崩れて明けし冷し物
     なつのよや くずれてあけし ひやしもの
• 夏の夜    なつのよ
  季節: 夏（三夏） 分類: 時候（時間）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　夏
     p.32

• 此あたり目に見ゆるものみなすゞし
     このあたり めにみゆるもの みなすずし
• 涼し    すずし
  季節: 夏（三夏） 分類: 時候（感覚）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.403

• 短夜や駅路の鈴の耳につく
     みじかよや えきじのすずの みみにつく
• 短夜    みじかよ
  季節: 夏（三夏） 分類: 時候（感覚）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.292

• 暑き日を海に入たり最上川
     あつきひを うみにいれたり もがみがわ
• 暑さ    あつさ
  季節: 夏（三夏） 分類: 時候（感覚）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.374

• 蛤の口しめてゐる暑さかな
     はまぐりの くちしめている あつさかな
• 暑さ    あつさ
  季節: 夏（三夏） 分類: 時候（感覚）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.373

• 秋ちかき心の寄るや四畳半
     あきちかき こころのよるや よじょうはん
• 秋近し    あきちかし
  季節: 夏（晩夏） 分類: 時候（感覚）
• 角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記　夏
     p.36

• 雲の峰幾つ崩れて月の山
     くものみね いくつくずれて つきのやま
• 雲の峰    くものみね
  季節: 夏（三夏） 分類: 天文（天空）
• 角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記　夏
     p.37

• 蛸壺やはかなき夢を夏の月
     たこつぼや はかなきゆめを なつのつき
• 夏の月    なつのつき
  季節: 夏（三夏） 分類: 天文（天空）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.417

• 夏の月御油より出て赤坂や
     なつのつき ごゆよりいでて あかさかや
• 夏の月    なつのつき
  季節: 夏（三夏） 分類: 天文（天空）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.416

• 風薫る羽織は襟もつくろはず
     かぜかおる はおりはえりも つくろわず
• 風薫る    かぜかおる
  季節: 夏（三夏） 分類: 天文（風）
• 角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記　夏
     p.41

• 五月雨をあつめて早し最上川
     さみだれを あつめてはやし もがみがわ
• 五月雨    さみだれ
  季節: 夏（仲夏） 分類: 天文（水）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.304

• 目にかゝる時やことさら五月富士
     めにかかる ときやことさら さつきふじ
• 皐月富士    さつきふじ
  季節: 夏（仲夏） 分類: 地理（山野）
• 平凡社 俳句歳時記 夏
     p.111

• 島々や千々に砕けて夏の海
     しまじまや ちぢにくだけて なつのうみ
• 夏の海    なつのうみ
  季節: 夏（三夏） 分類: 地理（水辺）
• 角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記　夏
     p.55

• 結ぶより早歯にひゞく泉かな
     むすぶより はやはにひびく いずみかな
• 泉    いずみ
  季節: 夏（三夏） 分類: 地理（水辺）
• 平凡社 俳句歳時記 夏
     p.120

• さゞれ蟹足はひのぼる清水哉
     さざれがに あしはいのぼる しみずかな
• 清水    しみず
  季節: 夏（三夏） 分類: 地理（水辺）
• 平凡社 俳句歳時記 夏
     p.121

• 水の奥氷室尋ぬる柳かな
     みずのおく ひむろたずぬる やなぎかな
• 氷室    ひむろ
  季節: 夏（三夏） 分類: 人事（生活）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　夏
     p.177

• 富士の風や扇にのせて江戸土産
     ふじのかぜや おうぎにのせて えどみやげ
• 扇    おうぎ
  季節: 夏（三夏） 分類: 人事（生活）
• 角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記　夏
     p.89

• 山も庭もうごき入るゝや夏座敷
     やまもにわも うごきいるるや なつざしき
• 夏座敷    なつざしき
  季節: 夏（三夏） 分類: 人事（生活）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.388

• 窓形に昼寝の台や簟
     まどなりに ひるねのだいや たかむしろ
• 簟    たかむしろ
  季節: 夏（三夏） 分類: 人事（生活）
• 平凡社 俳句歳時記 夏
     p.224

• 笈も太刀も五月にかざれ紙幟
     おいもたちも さつきにかざれ かみのぼり
• 鯉幟    こいのぼり
  季節: 夏（初夏） 分類: 人事（生活）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　夏
     p.313

• 命なりわづかの笠の下涼ミ
     いのちなり わずかのかさの したすずみ
• 納涼    すずみ
  季節: 夏（晩夏） 分類: 人事（生活）
• 平凡社 俳句歳時記 夏
     p.257

• なき人の小袖も今や土用干
     なきひとの こそでもいまや どようぼし
• 虫干    むしぼし
  季節: 夏（晩夏） 分類: 人事（生活）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.453

• おもしろうてやがてかなしき鵜舟かな
     おもしろうて やがてかなしき うぶねかな
• 鵜飼    うかい
  季節: 夏（三夏） 分類: 人事（労働）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.334

• ふらずとも竹植る日は蓑と笠
     ふらずとも たけううるひは みのとかさ
• 竹植う    たけうう
  季節: 夏（仲夏） 分類: 人事（労働）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.312

• 田一枚植て立去る柳かな
     たいちまい うえてたちさる やなぎかな
• 田植    たうえ
  季節: 夏（仲夏） 分類: 人事（労働）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.320

• 蛍見や船頭酔ておぼつかな
     ほたるみや せんどうようて おぼつかな
• 蛍狩    ほたるがり
  季節: 夏（三夏） 分類: 人事（娯楽）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.325

• 別ればや笠手に揚て夏羽織
     わかればや かさてにあげて なつばおり
• 夏羽織    なつばおり
  季節: 夏（三夏） 分類: 人事（衣服）
• 平凡社 俳句歳時記 夏
     p.207

• ひとつ脱で後におひぬ衣がへ
     ひとつぬいで うしろにおいぬ ころもがえ
• 更衣    ころもがえ
  季節: 夏（初夏） 分類: 人事（衣服）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.254

• 清滝の水汲ませてや心太
     きよたきの みずくませてや ところてん
• 心太    ところてん
  季節: 夏（三夏） 分類: 人事（飲食）
• 角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記　夏
     p.77

• 水無月や鯛はあれども塩鯨
     みなづきや たいはあれども しおくじら
• 皮鯨    かわくじら
  季節: 夏（三夏） 分類: 人事（飲食）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　夏
     p.151

• いざ共に穂麦食らはん草枕
     いざともに ほむぎくらわん くさまくら
• 麦飯    むぎめし
  季節: 夏（初夏） 分類: 人事（飲食）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.285

• 青ざしや草餅の穂に出つらん
     あおざしや くさもちのほに いでつらん
• 青ざし    あおざし
  季節: 夏（初夏） 分類: 人事（飲食）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　夏
     p.238

• 粽結ふかた手にはさむ額髪
     ちまきゆう かたてにはさむ ひたいがみ
• 粽    ちまき
  季節: 夏（初夏） 分類: 人事（飲食）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.259

• 水むけて跡とひたまへ道明寺
     みずむけて あとといたまえ どうみょうじ
• 干飯    ほしいい
  季節: 夏（晩夏） 分類: 人事（飲食）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　夏
     p.330

• 語られぬ湯殿にぬらす袂かな
     かたられぬ ゆどのにぬらす たもとかな
• 湯殿詣    ゆどのもうで
  季節: 夏（晩夏） 分類: 宗教（その他）
• 平凡社 俳句歳時記 夏
     p.383

• 二股にわかれ初けり鹿の角
     ふたまたに わかれそめけり しかのつの
• 袋角    ふくろづの
  季節: 夏（初夏） 分類: 動物（哺乳類）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　夏
     p.221

• 鶯や竹の子藪に老を鳴く
     うぐいすや たけのこやぶに おいをなく
• 老鶯    おいうぐいす
  季節: 夏（三夏） 分類: 動物（鳥類）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.353

• 五月雨に鳰の浮巣を見に行かむ
     さみだれに におのうきすを みにゆかん
• 浮巣    うきす
  季節: 夏（三夏） 分類: 動物（鳥類）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　夏
     p.94

• 京に居て京なつかしや時鳥
     きょうにいて きょうなつかしや ほととぎす
• 時鳥    ほととぎす
  季節: 夏（三夏） 分類: 動物（鳥類）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.354

• 此宿は水鶏も知らぬ扉かな
     このやどは くいなもしらぬ とぼそかな
• 水鶏    くいな
  季節: 夏（三夏） 分類: 動物（鳥類）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.372

• うき我をさびしがらせよかんこ鳥
     うきわれを さびしがらせよ かんこどり
• 閑古鳥    かんこどり
  季節: 夏（三夏） 分類: 動物（鳥類）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.355

• 老の名のありともしらで四十雀
     おいのなの ありともしらで しじゅうから
• 四十雀    しじゅうから
  季節: 夏（三夏） 分類: 動物（鳥類）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.592

• 又越む佐夜の中山はつ松魚
     またこさむ さよのなかやま はつがつお
• 初鰹    はつがつお
  季節: 夏（初夏） 分類: 動物（魚類）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.293

• 這出よかひ屋が下の蟾の声
     はいいでよ かいやがしたの ひきのこえ
• 蟇    ひきがえる
  季節: 夏（三夏） 分類: 動物（両生類）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.311

• 蚤虱馬の尿するまくらもと
     のみしらみ うまのしとする まくらもと
• 蚤    のみ
  季節: 夏（三夏） 分類: 動物（昆虫等）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.348

• うき人の旅にも習へ木曽の蠅
     うきひとの たびにもならえ きそのはえ
• 蠅    はえ
  季節: 夏（三夏） 分類: 動物（昆虫等）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.341