俳人 : 宝井其角 （たからい きかく）

• 鶉かと鼠の味を問てまし
     うずらかと ねずみのあじを とうてまし
• 田鼠化して鶉と為る    でんそかしてうずらとなる
  季節: 春（晩春） 分類: 時候（暦）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　春
     p.250

• 草茎を包む葉もなき雪間かな
     くさぐきを つつむはもなき ゆきまかな
• 雪間    ゆきま
  季節: 春（初春） 分類: 地理（山野）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.80

• うすらひやわづかに咲ける芹の花
     うすらいや わずかにさける せりのはな
• 薄氷    うすらい
  季節: 春（初春） 分類: 地理（水辺）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　春
     p.133

• 御秘蔵に墨を摺らせて梅見哉
     ごひぞうに すみをすらせて うめみかな
• 梅見    うめみ
  季節: 春（初春） 分類: 人事（行事）
• 平凡社 俳句歳時記 春
     p.162

• 傀儡の鼓うつなる花見かな
     かいらいの つづみうつなる はなみかな
• 花見    はなみ
  季節: 春（晩春） 分類: 人事（行事）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.183

• 種かしや大神宮へ一つかみ
     たねかしや だいじんぐうへ ひとつかみ
• 種井    たねい
  季節: 春（晩春） 分類: 人事（労働）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.230

• 舞鶴や天気定めて種下し
     まいづるや てんきさだめて たねおろし
• 種蒔    たねまき
  季節: 春（晩春） 分類: 人事（労働）
• 平凡社 俳句歳時記 春
     p.208

• 初午や賽銭よみは芝居から
     はつうまや さいせんよみは しばいから
• 初午芝居    はつうましばい
  季節: 春（仲春） 分類: 人事（芸術）
• 平凡社 俳句歳時記 春
     p.169

• 猫の子のくんづほぐれつ胡蝶かな
     ねこのこの くんずほぐれつ こちょうかな
• 子猫    こねこ
  季節: 春（晩春） 分類: 動物（哺乳類）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.218

• 鶯の身を逆にはつねかな
     うぐいすの みをさかさまに はつねかな
• 鶯    うぐいす
  季節: 春（三春） 分類: 動物（鳥類）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.94

• 白魚をふるひ寄せたる四ツ手かな
     しらうおを ふるいよせたる よつでかな
• 白魚    しらうお
  季節: 春（三春） 分類: 動物（魚類）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.83

• すだれ貝雪の高浜見し人か
     すだれがい ゆきのたかはま みしひとか
• 簾貝    すだれがい
  季節: 春（三春） 分類: 動物（貝類）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　春
     p.92

• 子安貝二見の浦を産湯かな
     こやすがい ふたみのうらを うぶゆかな
• 宝貝    たからがい
  季節: 春（三春） 分類: 動物（貝類）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　春
     p.93

• あさり貝むかしの剣うらさびぬ
     あさりがい むかしのつるぎ うらさびぬ
• 浅蜊    あさり
  季節: 春（三春） 分類: 動物（貝類）
• 平凡社 俳句歳時記 春
     p.400

• 旦夕のはしゐはじむるつゝじかな
     あさゆうの はしいはじむる つつじかな
• 躑躅    つつじ
  季節: 春（晩春） 分類: 植物（ツツジ目）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.241

• 菓子盆にけし人形や桃の花
     かしぼんに けしにんぎょうや もものはな
• 桃の花    もものはな
  季節: 春（晩春） 分類: 植物（バラ目）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.166

• 饅頭で人をたづねよ山ざくら
     まんじゅうで ひとをたずねよ やまざくら
• 山桜    やまざくら
  季節: 春（晩春） 分類: 植物（バラ目）
• 平凡社 俳句歳時記 春
     p.455

• 水影や鼯わたる藤の棚
     みずかげや むささびわたる ふじのたな
• 藤    ふじ
  季節: 春（晩春） 分類: 植物（マメ目）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.244

• 海松の香や汐こす風の磯馴松
     みるのかや しおこすかぜの そなれまつ
• 海松    みる
  季節: 春（三春） 分類: 植物（藻類）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　春
     p.103

• 行く水や何にとゞまるのりの味
     ゆくみずや なんにとどまる のりのあじ
• 海苔    のり
  季節: 春（三春） 分類: 植物（藻類）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　春
     p.149

• 海松ふさや貝取る出刃を蜑にかる
     みるふさや かいとるでばを あまにかる
• 海松    みる
  季節: 春（三春） 分類: 植物（藻類）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　春
     p.103

• 夏酔や暁ごとの柄杓水
     なつよいや あかつきごとの ひしゃくみず
• 夏暁    かぎょう
  季節: 夏（三夏） 分類: 時候（時間）
• 平凡社 俳句歳時記 夏
     p.23

• 小夜中に蝉一声の暑かな
     さよなかに せみひとこえの あつさかな
• 暑さ    あつさ
  季節: 夏（三夏） 分類: 時候（感覚）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.374

• 夕立や田をみめぐりの神ならば
     ゆうだちや たをみめぐりの かみならば
• 夕立    ゆうだち
  季節: 夏（三夏） 分類: 天文（水）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.387

• 夕立に独活の葉広き匂かな
     ゆうだちに うどのはひろき においかな
• 夕立    ゆうだち
  季節: 夏（三夏） 分類: 天文（水）
• 角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記　夏
     p.45

• 競べ馬埒に入る身のいさみかな
     くらべうま らちにいるみの いさみかな
• 競馬    けいば
  季節: 夏（初夏） 分類: 人事（行事）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　夏
     p.317

• 夜早ねん紙帳に風を入るゝ音
     よはやねん しちょうにかぜを いるるおと
• 紙帳    しちょう
  季節: 夏（三夏） 分類: 人事（生活）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　夏
     p.183

• 見る人も廻り灯籠に廻りけり
     みるひとも まわりどうろに まわりけり
• 走馬燈    そうまとう
  季節: 夏（三夏） 分類: 人事（生活）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.493

• 水うてや蝉も雀もぬるゝ程
     みずうてや せみもすずめも ぬるるほど
• 打水    うちみず
  季節: 夏（三夏） 分類: 人事（生活）
• 平凡社 俳句歳時記 夏
     p.237

• 唐黍を流るゝ沓や水見舞
     とうきびを ながるるくつや みずみまい
• 水見舞    みずみまい
  季節: 夏（仲夏） 分類: 人事（生活）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.306

• 夕すゞみよくぞ男に生れける
     ゆうすずみ よくぞおとこに うまれける
• 納涼    すずみ
  季節: 夏（晩夏） 分類: 人事（生活）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.411

• 焼鎌の背中にあつし田草取
     やいがまの せなかにあつし たぐさとり
• 田草取    たぐさとり
  季節: 夏（仲夏） 分類: 人事（労働）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　夏
     p.384

• 傘や薪の夜のありとをし
     からかさや たきぎのよるの ありとおし
• 薪能    たきぎのう
  季節: 夏（初夏） 分類: 人事（芸術）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　夏
     p.247

• 酒の瀑布冷麦の九天ヨリ落ルナラン
     さけのたき ひやむぎのきゅうてんより おつるならん
• 冷麦    ひやむぎ
  季節: 夏（三夏） 分類: 人事（飲食）
• 平凡社 俳句歳時記 夏
     p.331

• 交りのさめてまたよし夏料理
     まじわりの さめてまたよし なつりょうり
• 夏料理    なつりょうり
  季節: 夏（三夏） 分類: 人事（飲食）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　夏
     p.147

• ひや酒やはしりの下の石畳
     ひやざけや はしりのしたの いしだたみ
• 冷酒    ひやざけ
  季節: 夏（三夏） 分類: 人事（飲食）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.423

• 傾城の夏書やさしやかりの宿
     けいせいの げがきやさしや かりのやど
• 夏書    げがき
  季節: 夏（三夏） 分類: 宗教（仏教）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.268

• 紙合羽かろしやうき世夏念仏
     かみがっぱ かろしやうきよ なつねぶつ
• 夏念仏    なつねんぶつ
  季節: 夏（晩夏） 分類: 宗教（仏教）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　夏
     p.419

• 我等まで天下祭や土ぐるま
     われらまで てんかまつりや つちぐるま
• 東京山王祭    とうきょうさんのうまつり
  季節: 夏（仲夏） 分類: 宗教（神道）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　夏
     p.320

• 富士行や網代に火なき夜の小屋
     ふじぎょうや あじろにひなき よるのこや
• 富士詣    ふじもうで
  季節: 夏（晩夏） 分類: 宗教（神道）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　夏
     p.404

• 侘しらに貝吹く僧よかんこ鳥
     わびしらに かいふくそうよ かんこどり
• 閑古鳥    かんこどり
  季節: 夏（三夏） 分類: 動物（鳥類）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.355

• 飯鮓の鱧なつかしき都かな
     めしずしの はもなつかしき みやこかな
• 鱧    はも
  季節: 夏（三夏） 分類: 動物（魚類）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　夏
     p.122

• 蚊柱に夢の浮橋かかるなり
     かばしらに ゆめのうきはし かかるなり
• 蚊    か
  季節: 夏（三夏） 分類: 動物（昆虫等）
• 角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記　夏
     p.181

• かたつぶり酒の肴に這はせけり
     かたつぶり さけのさかなに はわせけり
• 蝸牛    かたつむり
  季節: 夏（三夏） 分類: 動物（昆虫等）
• 平凡社 俳句歳時記 夏
     p.498

• 艸の戸に我は蓼くふ蛍哉
     くさのとに われはたでくう ほたるかな
• 蛍    ほたる
  季節: 夏（仲夏） 分類: 動物（昆虫等）
• 平凡社 俳句歳時記 夏
     p.470

• 夕顔や白き鶏垣根より
     ゆうがおや しろきにわとり かきねより
• 夕顔    ゆうがお
  季節: 夏（晩夏） 分類: 植物（ウリ目）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.462

• 簾まけ雨に提げ来る杜若
     すだれまけ あめにさげくる かきつばた
• 杜若    かきつばた
  季節: 夏（仲夏） 分類: 植物（キジカクシ目 ）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.291

• ちり際は風もたのまずけしの花
     ちりぎわは かぜもたのまず けしのはな
• 罌粟の花    けしのはな
  季節: 夏（初夏） 分類: 植物（キンポウゲ目）
• 平凡社 俳句歳時記 夏
     p.643

• 殿づくり並びてゆゝし桐の花
     とのづくり ならびてゆゆし きりのはな
• 桐の花    きりのはな
  季節: 夏（初夏） 分類: 植物（シソ目）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.279

• 麻村や家をへだつる水ぐるま
     あさむらや いえをへだつる みずぐるま
• 麻    あさ
  季節: 夏（晩夏） 分類: 植物（バラ目）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.473