俳人 : 高浜虚子 （たかはま きょし）

• 新米の其一粒の光かな
     しんまいの そのひとつぶの ひかりかな
• 新米    しんまい
  季節: 秋（晩秋） 分類: 人事（生活）
• 角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記　秋
     p.65

• 眠りこけつゝ尚止めぬ夜なべかな
     ねむりこけ つつなおやめぬ よなべかな
• 夜なべ    よなべ
  季節: 秋（三秋） 分類: 人事（労働）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.520

• 弓少し張りすぎてあり鳥威
     ゆみすこし はりすぎてあり とりおどし
• 鳥威    とりおどし
  季節: 秋（三秋） 分類: 人事（労働）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.586

• 豊年の稲穂手握り見たりけり
     ほうねんの いなほてにぎり みたりけり
• 豊年    ほうねん
  季節: 秋（仲秋） 分類: 人事（労働）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.587

• ぼと／＼と落つる葉のあり松手入
     ぼとぼとと おつるはのあり まつていれ
• 松手入    まつていれ
  季節: 秋（晩秋） 分類: 人事（労働）
• 角川ソフィア文庫 第4版増補 俳句歳時記　秋
     p.65

• 刈りかけし蘆いつまでも其のままに
     かりかけし あしいつまでも そのままに
• 蘆刈    あしかり
  季節: 秋（晩秋） 分類: 人事（労働）
• 平凡社 俳句歳時記 秋
     p.236

• 木賊皆刈られて水の行方かな
     とくさみな かられてみずの ゆくえかな
• 木賊刈る    とくさかる
  季節: 秋（晩秋） 分類: 人事（労働）
• 角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記　秋
     p.84

• 雁瘡をかいて素読を教へけり
     がんがさを かいてそどくを おしえけり
• 雁瘡    がんがさ
  季節: 秋（三秋） 分類: 人事（健康）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.553

• 面やつれしてがつがつと夜食かな
     おもやつれ してがつがつと やしょくかな
• 夜食    やしょく
  季節: 秋（三秋） 分類: 人事（飲食）
• ハンディ版 入門歳時記 新版
     p.368

• 嗜まねど温め酒はよき名なり
     たしなまねど あたためざけは よきななり
• 温め酒    あたためさけ
  季節: 秋（晩秋） 分類: 人事（飲食）
• 角川ソフィア文庫 第4版増補 俳句歳時記　秋
     p.92

• 二三杯温め酒に色の浜
     にさんはい あたためさけに いろのはま
• 温め酒    あたためさけ
  季節: 秋（晩秋） 分類: 人事（飲食）
• 平凡社 俳句歳時記 秋
     p.185

• 取敢へず松茸飯を焚くとせん
     とりあえず まつたけめしを たくとせん
• 松茸飯    まつたけめし
  季節: 秋（晩秋） 分類: 人事（飲食）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.581

• 逗留や今日は栗飯とねもごろに
     とうりゅうや きょうはくりめしと ねもごろに
• 栗飯    くりめし
  季節: 秋（晩秋） 分類: 人事（飲食）
• 平凡社 俳句歳時記 秋
     p.258

• 人ごみにありてとぼ／＼秋遍路
     ひとごみに ありてとぼとぼ あきへんろ
• 秋遍路    あきへんろ
  季節: 秋（三秋） 分類: 宗教（仏教）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　秋
     p.120

• 町中に少し入りこみ盆の寺
     まちなかに すこしいりこみ ぼんのてら
• 盂蘭盆    うらぼん
  季節: 秋（初秋） 分類: 宗教（仏教）
• 平凡社 俳句歳時記 秋
     p.271

• 送火や母が心に幾仏
     おくりびや ははがこころに いくぼとけ
• 送火    おくりび
  季節: 秋（初秋） 分類: 宗教（仏教）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.496

• 宗祇忌を今に修することゆかし
     そうぎきを いまにしゅうする ことゆかし
• 宗祇忌    そうぎき
  季節: 秋（初秋） 分類: 宗教（忌日）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　秋
     p.208

• 叱られし思ひ出もある子規忌かな
     しかられし おもいでもある しききかな
• 子規忌    しきき
  季節: 秋（仲秋） 分類: 宗教（忌日）
• 角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記　秋
     p.118

• 祖を守り俳諧を守り守武忌
     おやをもり はいかいをもり もりたけき
• 守武忌    もりたけき
  季節: 秋（仲秋） 分類: 宗教（忌日）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.521

• 紅白の餅の柱やお命講
     こうはくの もちのはしらや おめいこう
• 御命講    おめいこう
  季節: 秋（晩秋） 分類: 宗教（忌日）
• 平凡社 俳句歳時記 秋
     p.308

• 色鳥のかくれて見えぬ廂かな
     いろどりの かくれてみえぬ ひさしかな
• 色鳥    いろどり
  季節: 秋（三秋） 分類: 動物（鳥類）
• 増補版 いちばんわかりやすい 俳句歳時記
     p.301

• この高木菊戴も来るとかや
     このたかぎ きくいただきも くるとかや
• 菊戴    きくいただき
  季節: 秋（晩秋） 分類: 動物（鳥類）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.593

• ひらひらと釣られて淋し今年鯊
     ひらひらと つられてさびし ことしはぜ
• 鯊    はぜ
  季節: 秋（三秋） 分類: 動物（魚類）
• ハンディ版 入門歳時記 新版
     p.395

• 紅葉鮒色とり／"＼に重の物
     もみじぶな いろとりどりに じゅうのもの
• 紅葉鮒    もみじぶな
  季節: 秋（晩秋） 分類: 動物（魚類）
• 平凡社 俳句歳時記 秋
     p.419

• 秋の蠅少しく飛びて歩きけり
     あきのはえ すこしくとびて あるきけり
• 秋の蠅    あきのはえ
  季節: 秋（三秋） 分類: 動物（昆虫等）
• 平凡社 俳句歳時記 秋
     p.415

• 三味線をひくも淋しや蚯蚓なく
     しゃみせんを ひくもさびしや みみずなく
• 蚯蚓鳴く    みみずなく
  季節: 秋（三秋） 分類: 動物（昆虫等）
• 平凡社 俳句歳時記 秋
     p.398

• 命かけて芋虫憎む女かな
     いのちかけて いもむしにくむ おんなかな
• 芋虫    いもむし
  季節: 秋（初秋） 分類: 動物（昆虫等）
• 新潮文庫 新改訂版 俳諧歳時記 秋
     p.154

• ふみ外す蝗の顔の見ゆるかな
     ふみはずす いなごのかおの みゆるかな
• 蝗    いなご
  季節: 秋（初秋） 分類: 動物（昆虫等）
• 平井照敏編 新歳時記 秋
     p.240

• かな／＼に後れ勝なる仕事かな
     かなかなに おくれがちなる しごとかな
• 蜩    ひぐらし
  季節: 秋（初秋） 分類: 動物（昆虫等）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.499

• 松虫に恋しき人の書斎かな
     まつむしに こいしきひとの しょさいかな
• 松虫    まつむし
  季節: 秋（初秋） 分類: 動物（昆虫等）
• 平井照敏編 新歳時記 秋
     p.234

• 松の月暗し／ ＼と轡虫
     まつのつき くらしくらしと くつわむし
• 轡虫    くつわむし
  季節: 秋（初秋） 分類: 動物（昆虫等）
• 平井照敏編 新歳時記 秋
     p.238

• 葉がくれに現れし実のさねかづら
     はがくれに あらわれしみの さねかずら
• 美男蔓    びなんかづら
  季節: 秋（晩秋） 分類: 植物（アウストロバイレヤ目）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.633

• 酒折の宮はかしこや稲の花
     さかおりの みやはかしこや いねのはな
• 稲の花    いねのはな
  季節: 秋（初秋） 分類: 植物（イネ目）
• 平井照敏編 新歳時記 秋
     p.336

• 菩提樹の実を拾ひをる女人かな
     ぼだいじゅの みをひろいおる にょにんかな
• 菩提子    ぼだいじ
  季節: 秋（晩秋） 分類: 植物（イネ目）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.625

• 誰彼にくれる印や種瓢
     だれかれに くれるしるしや たねふくべ
• 種瓢    たねふくべ
  季節: 秋（晩秋） 分類: 植物（ウリ目）
• 増補版 いちばんわかりやすい 俳句歳時記
     p.326

• 桔梗の紫さめし思ひかな
     きちこうの むらさきさめし おもいかな
• 桔梗    ききょう
  季節: 秋（初秋） 分類: 植物（キク目）
• 平井照敏編 新歳時記 秋
     p.374

• 百丈の断崖を見ず野菊見る
     ひゃくじょうの だんがいをみず のぎくみる
• 野菊    のぎく
  季節: 秋（仲秋） 分類: 植物（キク目）
• 平凡社 俳句歳時記 秋
     p.535

• 紫蘇の実を摘む鋏にも鈴の鳴る
     しそのみを つむはさみにも すずのなる
• 紫蘇の実    しそのみ
  季節: 秋（仲秋） 分類: 植物（シソ目）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.566

• 割合に小さき擂粉木胡麻をすり
     わりあいに ちさきすりこぎ ごまをすり
• 胡麻    ごま
  季節: 秋（仲秋） 分類: 植物（シソ目）
• 増補版 いちばんわかりやすい 俳句歳時記
     p.331

• 木豇豆の実は豇豆に似何かに似
     きささげの みはささげにに なにかにに
• 木豇豆    きささげ
  季節: 秋（晩秋） 分類: 植物（シソ目）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　秋
     p.307

• よろ／＼と棹がのぼりて柿挟む
     よろよろと さおがのぼりて かきはさむ
• 柿    かき
  季節: 秋（晩秋） 分類: 植物（ツツジ目）
• 角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記　秋
     p.156

• 溝そばと赤のまんまと咲きうづみ
     みぞそばと あかのまんまと さきうずみ
• 溝蕎麦    みぞそば
  季節: 秋（初秋） 分類: 植物（ナデシコ目）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.511

• 高原や栗の不作に蕎麦の出来
     こうげんや くりのふさくに そばのでき
• 蕎麦    そば
  季節: 秋（晩秋） 分類: 植物（ナデシコ目）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.617

• 錦木に寄りそひ立てば我ゆかし
     にしきぎに よりそいたてば われゆかし
• 錦木    にしきぎ
  季節: 秋（晩秋） 分類: 植物（ニシキギ目）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　秋
     p.290

• 椋拾ふ子に落葉掃く嫗かな
     むくひろう こにおちばはく おうなかな
• 椋の実    むくのみ
  季節: 秋（晩秋） 分類: 植物（バラ目）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　秋
     p.305

• 枝豆や舞子の顔に月上る
     えだまめや まいこのかおに つきあがる
• 枝豆    えだまめ
  季節: 秋（三秋） 分類: 植物（マメ目）
• 増補版 いちばんわかりやすい 俳句歳時記
     p.330

• 藤豆の垂れて小暗き廊下かな
     ふじまめの たれてこぐらき ろうかかな
• 藤豆    ふじまめ
  季節: 秋（初秋） 分類: 植物（マメ目）
• 角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記　秋
     p.201

• 落花生喰ひつゝ読むや罪と罰
     らっかせい くいつつよむや つみとばつ
• 落花生    らっかせい
  季節: 秋（晩秋） 分類: 植物（マメ目）
• 増補版 いちばんわかりやすい 俳句歳時記
     p.331

• われが来し南の国のザボンかな
     われがきし みなみのくにの ざぼんかな
• 朱欒    ざぼん
  季節: 秋（晩秋） 分類: 植物（ムクロジ目）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.634

• 柚子一つ供へて寒し像の前
     ゆずひとつ そなえてさむし ぞうのまえ
• 柚子    ゆず
  季節: 秋（晩秋） 分類: 植物（ムクロジ目）
• 平凡社 俳句歳時記 秋
     p.475