俳人 : 与謝蕪村 （よさ ぶそん）

• 御手打の夫婦なりしを更衣
     おてうちの めおとなりしを ころもがえ
• 更衣    ころもがえ
  季節: 夏（初夏） 分類: 人事（衣服）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.254

• 水の粉もきのふに戻るやどり哉
     みずのこも きのうにもどる やどりかな
• 水の粉    みずのこ
  季節: 夏（三夏） 分類: 人事（飲食）
• 平凡社 俳句歳時記 夏
     p.344

• 宗鑑に葛水たまふ大臣哉
     そうかんに くずみずたまう おとどかな
• 葛水    くずみず
  季節: 夏（三夏） 分類: 人事（飲食）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.421

• 水の粉やあるじかしこき後家の君
     みずのこや あるじかしこき ごけのきみ
• 水の粉    みずのこ
  季節: 夏（三夏） 分類: 人事（飲食）
• 平凡社 俳句歳時記 夏
     p.344

• ところてん逆しまに銀河三千尺
     ところてん さかしまにぎんが さんぜんしゃく
• 心太    ところてん
  季節: 夏（三夏） 分類: 人事（飲食）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.423

• 酒を煮る家の女房ちよとほれた
     さけをにる うちのにょうぼう ちょとほれた
• 煮酒    にざけ
  季節: 夏（三夏） 分類: 人事（飲食）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　夏
     p.254

• 鮓おしてしばし淋しきこゝろかな
     すしおして しばしさびしき こころかな
• 鮓    すし
  季節: 夏（三夏） 分類: 人事（飲食）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.426

• あま酒の地獄もちかし箱根山
     あまざけの じごくもちかし はこねやま
• 甘酒    あまざけ
  季節: 夏（三夏） 分類: 人事（飲食）
• 平凡社 俳句歳時記 夏
     p.345

• 粽解いて蘆吹く風の音聞かん
     ちまきといて あしふくかぜの おときかん
• 粽    ちまき
  季節: 夏（初夏） 分類: 人事（飲食）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.259

• なつかしき夏書の墨の匂ひかな
     なつかしき げがきのすみの においかな
• 夏書    げがき
  季節: 夏（三夏） 分類: 宗教（仏教）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.268

• ねり供養まつり皃なる小家かな
     ねりくよう まつりがおなる こいえかな
• 練供養    ねりくよう
  季節: 夏（初夏） 分類: 宗教（仏教）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.265

• 夕風や水青鷺の脛をうつ
     ゆうかぜや みずあおさぎの すねをうつ
• 青鷺    あおさぎ
  季節: 夏（三夏） 分類: 動物（鳥類）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.373

• 山雀や榧の老木に寝にもどる
     やまがらや かやのおいきに ねにもどる
• 山雀    やまがら
  季節: 夏（三夏） 分類: 動物（鳥類）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　夏
     p.63

• 鮎くれてよらで過行夜半の門
     あゆくれて よらですぎゆく よわのもん
• 鮎    あゆ
  季節: 夏（三夏） 分類: 動物（魚類）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.333

• 朝風に毛を吹れ居る毛むしかな
     あさかぜに けをふかれおる けむしかな
• 毛虫    けむし
  季節: 夏（三夏） 分類: 動物（昆虫等）
• 平凡社 俳句歳時記 夏
     p.494

• 飛蟻とぶや富士の裾野ゝ小家より
     はありとぶや ふじのすそのの こいえより
• 羽蟻    はあり
  季節: 夏（三夏） 分類: 動物（昆虫等）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　夏
     p.74

• 葉を落ちて火串に蛭の焦る音
     はをおちて ほぐしにひるの こげるおと
• 蛭    ひる
  季節: 夏（三夏） 分類: 動物（昆虫等）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　夏
     p.110

• わくら葉に取ついて蝉のもぬけかな
     わくらばに とりついてせみの もぬけかな
• 空蝉    うつせみ
  季節: 夏（晩夏） 分類: 動物（昆虫等）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.443

• 水深く利鎌鳴らす眞菰苅
     みずふかく とぎかまならす まこもがり
• 真菰    まこも
  季節: 夏（三夏） 分類: 植物（イネ目）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.340

• 掘食ふ我たかうなの細きかな
     ほりくらう わがたこうなの ほそきかな
• 筍    たけのこ
  季節: 夏（初夏） 分類: 植物（イネ目）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.273

• 脱ぎ捨ててひとふし見せよ竹の皮
     ぬぎすてて ひとふしみせよ たけのかわ
• 竹の皮脱ぐ    たけのかわぬぐ
  季節: 夏（仲夏） 分類: 植物（イネ目）
• 角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記　夏
     p.220

• 若竹や夕日の嵯峨となりにけり
     わかたけや ゆうひのさがと なりにけり
• 若竹    わかたけ
  季節: 夏（仲夏） 分類: 植物（イネ目）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　夏
     p.265

• 雷に小屋は焼れて瓜の花
     かみなりに こやはやかれて うりのはな
• 瓜の花    うりのはな
  季節: 夏（初夏） 分類: 植物（ウリ目）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　夏
     p.241

• 卯の花のこぼるゝ蕗の広葉かな
     うのはなの こぼるるふきの ひろはかな
• 蕗    ふき
  季節: 夏（初夏） 分類: 植物（キク目）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.274

• ぬなはとる小舟にうたはなかりけり
     ぬなわとる こぶねにうたは なかりけり
• 蓴    ぬなわ
  季節: 夏（三夏） 分類: 植物（スイレン目）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.329

• 河骨の二もと咲くや雨の中
     こうほねの ふたもとさくや あめのなか
• 河骨    こうほね
  季節: 夏（仲夏） 分類: 植物（スイレン目）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.330

• 渋柿の花ちる里と成にけり
     しぶがきの はなちるさとと なりにけり
• 柿の花    かきのはな
  季節: 夏（初夏） 分類: 植物（ツツジ目）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.294

• 青梅に眉あつめたる美人かな
     あおうめに まゆあつめたる びじんかな
• 実梅    みうめ
  季節: 夏（仲夏） 分類: 植物（バラ目）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.315

• 来てみれば夕の桜実となりぬ
     きてみれば ゆうべのさくら みとなりぬ
• 桜の実    さくらのみ
  季節: 夏（仲夏） 分類: 植物（バラ目）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　夏
     p.306

• 蚊の声す忍冬の花の散るたびに
     かのこえす にんどうのはなの ちるたびに
• 忍冬の花    すいかずらのはな
  季節: 夏（初夏） 分類: 植物（マツムシソウ目）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　夏
     p.211

• 雨の日やまだきにくれてねむの花
     あめのひや まだきにくれて ねむのはな
• 合歓の花    ねむのはな
  季節: 夏（晩夏） 分類: 植物（マメ目）
• 角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記　夏
     p.218

• 三井寺や日は午にせまる若楓
     みいでらや ひはごにせまる わかかえで
• 若楓    わかかえで
  季節: 夏（初夏） 分類: 植物（ムクロジ目）
• 平凡社 俳句歳時記 夏
     p.567

• 梢より放つ光やしゆろの花
     こずえより はなつひかりや しゅろのはな
• 棕櫚の花    しゅろのはな
  季節: 夏（初夏） 分類: 植物（ヤシ目）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.279

• 飛び石も三つ四つ蓮のうき葉かな
     とびいしも みつよつはすの うきはかな
• 蓮の浮葉    はすのうきは
  季節: 夏（初夏） 分類: 植物（ヤマモガシ目）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.328

• 蓮の香や水をはなるる茎二寸
     はすのかや みずをはなるる くきにすん
• 蓮    はす
  季節: 夏（晩夏） 分類: 植物（ヤマモガシ目）
• 角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記　夏
     p.229

• 牡丹散てうちかさなりぬ二三片
     ぼたんちりて うちかさなりぬ にさんぺん
• 牡丹    ぼたん
  季節: 夏（初夏） 分類: 植物（ユキノシタ目）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.252

• かりそめに早百合生けたり谷の房
     かりそめに さゆりいけたり たにのふさ
• 百合    ゆり
  季節: 夏（晩夏） 分類: 植物（ユリ目）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.382

• 口なしの花さくかたや日にうとき
     くちなしの はなさくかたや ひにうとき
• 山梔子の花    くちなしのはな
  季節: 夏（仲夏） 分類: 植物（リンドウ目）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　夏
     p.281

• 蚊帳を出て奈良を立ちゆく若葉かな
     かやをでて ならをたちゆく わかばかな
• 若葉    わかば
  季節: 夏（初夏） 分類: 植物（総称）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.270

• 浅間山煙の中に若葉かな
     あさまやま けむりのなかに わかばかな
• 若葉    わかば
  季節: 夏（初夏） 分類: 植物（総称）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.270

• 花いばら故郷の路に似たるかな
     はないばら こきょうのみちに にたるかな
• 茨の花    いばらのはな
  季節: 夏（初夏） 分類: 植物（総称）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.281

• 愁ひつつ岡にのぼれば花いばら
     うれいつつ おかののぼれば はないばら
• 茨の花    いばらのはな
  季節: 夏（初夏） 分類: 植物（総称）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　夏
     p.210

• 藻の花や小舟よせたる門の前
     ものはなや こぶねよせたる かどのまえ
• 藻の花    ものはな
  季節: 夏（仲夏） 分類: 植物（総称）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.331

• 草いきれ人死にゐると札の立つ
     くさいきれ ひとしにいると ふだのたつ
• 草いきれ    くさいきれ
  季節: 夏（晩夏） 分類: 植物（総称）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　夏
     p.342

• 秋たつや何におどろく陰陽師
     あきたつや なんにおどろく おんみょうじ
• 立秋    りっしゅう
  季節: 秋（初秋） 分類: 時候（暦）
• 角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記　秋
     p.19

• 初秋や余所の灯見ゆる宵の程
     はつあきや よそのひみゆる よいのほど
• 初秋    はつあき
  季節: 秋（初秋） 分類: 時候（暦）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.481

• 門を出れば我も行く人秋の暮
     かどをでれば われもゆくひと あきのくれ
• 秋の暮    あきのくれ
  季節: 秋（三秋） 分類: 時候（時間）
• 角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記　秋
     p.25

• 住む方の秋の夜遠き火影かな
     すむかたの あきのよとおき ほかげかな
• 秋の夜    あきのよ
  季節: 秋（三秋） 分類: 時候（時間）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.518

• 戸を叩く狸と秋を惜みけり
     とをたたく たぬきとあきを おしみけり
• 秋惜む    あきおしむ
  季節: 秋（晩秋） 分類: 時候（感覚）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　秋
     p.273

• 身にしむや亡妻の櫛を閨に踏む
     みにしむや なきつまのくしを ねやにふむ
• 身に入む    みにしむ
  季節: 秋（晩秋） 分類: 時候（感覚）
• 角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記　秋
     p.28