俳人 : 与謝蕪村 （よさ ぶそん）

• 落日の潜りて染る蕎麦の茎
     らくじつの もぐりてそまる そばのくき
• 蕎麦    そば
  季節: 秋（晩秋） 分類: 植物（ナデシコ目）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.617

• 柿の葉の遠く散り来ぬ蕎麦畠
     かきのはの とおくちりきぬ そばばたけ
• 蕎麦    そば
  季節: 秋（晩秋） 分類: 植物（ナデシコ目）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.617

• 紅葉してそれも散行く桜かな
     もみじして それもちりゆく さくらかな
• 桜紅葉    さくらもみじ
  季節: 秋（仲秋） 分類: 植物（バラ目）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.579

• 枯れなんとせしをぶだうの盛りかな
     かれなんと せしをぶどうの さかりかな
• 葡萄    ぶどう
  季節: 秋（仲秋） 分類: 植物（ブドウ目）
• 角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記　秋
     p.157

• 打返し見れば紅葉す蔦の裏
     うちかえし みればもみじす つたのうら
• 蔦紅葉    つたもみじ
  季節: 秋（晩秋） 分類: 植物（ブドウ目）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　秋
     p.291

• 葛の葉の恨み顔なる細雨哉
     くずのはの うらみがおなる こさめかな
• 葛    くず
  季節: 秋（三秋） 分類: 植物（マメ目）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　秋
     p.76

• なた豆や垣もゆかりのむらさき野
     なたまめや かきもゆかりの むらさきの
• 刀豆    なたまめ
  季節: 秋（初秋） 分類: 植物（マメ目）
• 角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記　秋
     p.201

• 梅もどき折るや念珠をかけながら
     うめもどき おるやねんじゅを かけながら
• 梅擬    うめもどき
  季節: 秋（晩秋） 分類: 植物（モチノキ目）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.632

• さればこそ賢者は富まず敗荷
     さればこそ けんじゃはとまず やれはちす
• 敗荷    やれはす
  季節: 秋（晩秋） 分類: 植物（ヤマモガシ目）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　秋
     p.329

• 心憎き茸山超ゆる旅路かな
     こころにくき たけやまこゆる たびじかな
• 茸    きのこ
  季節: 秋（晩秋） 分類: 植物（菌類）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.579

• 茯苓は伏し隠れ松露は露れぬ
     ふくりょうは ふしかくれしょうろは あらわれぬ
• 茯苓    ぶくりょう
  季節: 秋（晩秋） 分類: 植物（菌類）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　秋
     p.323

• うれしさの箕にあまりたるむかごかな
     うれしさの みにあまりたる むかごかな
• 零余子    ぬかご
  季節: 秋（三秋） 分類: 植物（総称）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.615

• から堀の中に道ある照葉かな
     からほりの なかにみちある てりはかな
• 照葉    てりは
  季節: 秋（晩秋） 分類: 植物（総称）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　秋
     p.288

• 我骨のふとんにさはる霜夜かな
     わがほねの ふとんにさわる しもよかな
• 霜夜    しもよ
  季節: 冬（三冬） 分類: 時候（時間）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.747

• 氷る燈の油うかがふねずみかな
     こおるひの あぶらうかがう ねずみかな
• 凍る    こおる
  季節: 冬（三冬） 分類: 時候（感覚）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.43

• 冬ざれや小鳥のあさる韮畠
     ふゆざれや ことりのあさる にらばたけ
• 冬ざれ    ふゆざれ
  季節: 冬（三冬） 分類: 時候（感覚）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.690

• 石となる樟の梢や冬の月
     いしとなる くすのこずえや ふゆのつき
• 冬の月    ふゆのつき
  季節: 冬（三冬） 分類: 天文（天空）
• 平凡社 俳句歳時記 冬
     p.62

• 寒月や枯木の中の竹三竿
     かんげつや かれきのなかの たけみさお
• 寒月    かんげつ
  季節: 冬（晩冬） 分類: 天文（天空）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.56

• 宿かせと刀投げ出す吹雪かな
     やどかせと かたななげだす ふぶきかな
• 吹雪    ふぶき
  季節: 冬（晩冬） 分類: 天文（風）
• 角川ソフィア文庫 第4版増補 俳句歳時記　冬
     p.45

• めぐり来る雨に音なし冬の山
     めぐりくる あめにおとなし ふゆのやま
• 冬の山    ふゆのやま
  季節: 冬（三冬） 分類: 地理（山野）
• 角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記　冬
     p.52

• 狐火や髑髏に雨のたまる夜に
     きつねびや どくろにあめの たまるよに
• 狐火    きつねび
  季節: 冬（三冬） 分類: 地理（山野）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.751

• 蕭条として石に日の入る枯野かな
     しょうじょうとして いしにひのいる かれのかな
• 枯野    かれの
  季節: 冬（三冬） 分類: 地理（山野）
• ハンディ版 入門歳時記 新版
     p.515

• 不二を見て通る人あり年の市
     ふじをみて とおるひとあり としのいち
• 年の市    としのいち
  季節: 冬（仲冬） 分類: 人事（行事）
• 角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記　冬
     p.63

• にしき木の立聞もなき雑魚寝かな
     にしきぎの たちぎきもなき ざこねかな
• 大原雑魚寝    おおはらざこね
  季節: 冬（晩冬） 分類: 人事（行事）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　冬
     p.347

• 炭団法師火桶の窓から窺けり
     たどんぼうし ひおけのまどから のぞきけり
• 炭団    たどん
  季節: 冬（三冬） 分類: 人事（生活）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.721

• 我のみの柴折りくべるそば湯かな
     われのみの しばおりくべぬ そばゆかな
• 蕎麦湯    そばゆ
  季節: 冬（三冬） 分類: 人事（生活）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　冬
     p.194

• 炭がまの辺しづけき木立かな
     すみがまの あたりしずけき こだちかな
• 炭窯    すみがま
  季節: 冬（三冬） 分類: 人事（生活）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.722

• 炭俵ますほのすゝき見付たり
     すみだわら ますおのすすき みつけたり
• 炭俵    すみだわら
  季節: 冬（三冬） 分類: 人事（生活）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.723

• 桜木の板もやかれて古暦
     さくらぎの いたもやかれて ふるごよみ
• 古暦    ふるごよみ
  季節: 冬（仲冬） 分類: 人事（生活）
• 平凡社 俳句歳時記 冬
     p.218

• 闇の夜に終る暦の表紙哉
     やみのよに おわるこよみの ひょうしかな
• 暦の果    こよみのはて
  季節: 冬（仲冬） 分類: 人事（生活）
• 平凡社 俳句歳時記 冬
     p.218

• 年守るや乾鮭の太刀鱈の棒
     としもるや からざけのたち たらのぼう
• 年守る    としまもる
  季節: 冬（仲冬） 分類: 人事（生活）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　冬
     p.306

• 寒声や古うた諷ふ誰が子ぞ
     かんごえや ふるうたうたう だれがこぞ
• 寒声    かんごえ
  季節: 冬（晩冬） 分類: 人事（生活）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.33

• 炭売に鏡見せたる女かな
     すみうりに かがみみせたる おんなかな
• 炭売    すみうり
  季節: 冬（三冬） 分類: 人事（労働）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.723

• 夜興引や犬のとがむる塀の内
     よこひきや いぬのとがむる へいのうち
• 夜興引    よこひき
  季節: 冬（三冬） 分類: 人事（労働）
• 平凡社 俳句歳時記 冬
     p.199

• 麦蒔の影法師長き夕日かな
     むぎまきの かげぼしながき ゆうひかな
• 麦蒔    むぎまき
  季節: 冬（初冬） 分類: 人事（労働）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.659

• 口切や小城下ながら只ならぬ
     くちきりや こじょうかながら ただならぬ
• 口切    くちきり
  季節: 冬（初冬） 分類: 人事（芸術）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.651

• 顔見世や夜着をはなるゝ妹が許
     かおみせや よぎをはなるる いもがもと
• 顔見世    かおみせ
  季節: 冬（仲冬） 分類: 人事（芸術）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.680

• 既に得し鯨は逃て月ひとつ
     すでにえし くじらはにげて つきひとつ
• 捕鯨    ほげい
  季節: 冬（三冬） 分類: 人事（狩猟）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.711

• 鷹狩や畠も踏ぬ国の守
     たかがりや はたけもふまぬ くにのかみ
• 鷹狩    たかがり
  季節: 冬（三冬） 分類: 人事（狩猟）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　冬
     p.60

• 雪沓を履かんとすれば鼠行く
     ゆきぐつを はかんとすれば ねずみゆく
• 雪沓    ゆきぐつ
  季節: 冬（三冬） 分類: 人事（衣服）
• 角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記　冬
     p.112

• 足袋はいて寝る夜ものうき夢見かな
     たびはいて ねるよものうき ゆめみかな
• 足袋    たび
  季節: 冬（三冬） 分類: 人事（衣服）
• 角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記　冬
     p.80

• 妻や子の寝貌も見えつ薬喰
     つまやこの ねがおもみえつ くすりぐい
• 薬喰    くすりぐい
  季節: 冬（三冬） 分類: 人事（飲食）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.706

• 乾鮭や琴に斧うつひゞきあり
     からざけや ことにおのうつ ひびきあり
• 乾鮭    からざけ
  季節: 冬（三冬） 分類: 人事（飲食）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.715

• 細道になり行く声や寒念仏
     ほそみちに なりゆくこえや かんねぶつ
• 寒念仏    かんねぶつ
  季節: 冬（三冬） 分類: 宗教（仏教）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　冬
     p.351

• 夜泣する小家も過ぬ鉢叩き
     よなきする こいえもすぎぬ はちたたき
• 鉢叩    はちたたき
  季節: 冬（仲冬） 分類: 宗教（仏教）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.657

• 御火焚や霜うつくしき京の町
     おほたきや しもうつくしき きょうのまち
• お火焚    おほたき
  季節: 冬（初冬） 分類: 宗教（神道）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.674

• 子燈心ことに御燈の光かな
     ねとうしん ことにごとうの ひかりかな
• 子祭    ねまつり
  季節: 冬（仲冬） 分類: 宗教（神道）
• 文藝春秋 最新俳句歳時記　冬
     p.267

• 水鳥やてうちんひとつ城を出る
     みずとりや ちょうちんひとつ しろをでる
• 水鳥    みずとり
  季節: 冬（三冬） 分類: 動物（鳥類）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.682

• 鴛や池におとなき樫の雨
     おしどりや いけにおとなき かしのあめ
• 鴛鴦    おしどり
  季節: 冬（三冬） 分類: 動物（鳥類）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.683

• 冬の梅きのふやちりぬ石の上
     ふゆのうめ きのうやちりぬ いしのうえ
• 寒梅    かんばい
  季節: 冬（晩冬） 分類: 植物（バラ目）
• 虚子編 新歳時記　増訂版
     p.65