若井新一 (わかい しんいち)
俳人の説明
管理人による説明
生涯と俳句歴
若井新一は1947年(昭和22年)、新潟県南魚沼市に生まれた。神奈川大学を卒業後、村上電報電話局に勤務した。28歳で実家の農家を継ぎ、その後30歳頃に俳句を始めた。
俳句を始めるにあたり、「花守」主宰の目崎徳衛の手ほどきを受けた。1979年(昭和54年)に目崎徳衛主宰の「花守」に入会し、翌1981年(昭和56年)には「狩」にも入会して鷹羽狩行に師事した。「花守」には1998年(平成10年)の終刊まで身を置いた。
第一句集『雪意』は1989年(平成元年)に牧羊社から刊行された。牧羊社の処女句集シリーズⅤの49冊目であり、若井も牧羊社から輩出した新人の一人であった。1996年(平成8年)には第二句集『雪田』を本阿弥書店から刊行した。
実生活では当初は会社勤めの傍らでコシヒカリを栽培していたが、第三句集『冠雪』(2006年、平成18年)の時期には会社勤めに終止符を打ち、農業に専念するようになった。同句集のあとがきでは、父から受け継いだ農業を「先祖からの農業」と表現している。
1997年(平成9年)、「早苗饗」50句で第43回角川俳句賞を受賞した。2007年(平成19年)、句集『冠雪』で第8回宗左近俳句大賞を受賞。2014年(平成26年)には第四句集『雪形』で第54回俳人協会賞を受賞した。2021年(令和3年)には第五句集『風雪』を刊行している。
俳句の特徴
若井の作風は、一貫して故郷新潟の生活、そこに根付く農業の日々を只管に書きつけた篤実なものである。自分の生と先人たちの生とを積極的に直線で結んで行こうとする姿勢が特徴的で、祖なるものへの意識という点では一貫している。
新潟県南魚沼市は日本有数の豪雪地帯であり、若井はこの風土を活かした雪の句において特に優れた作品を残している。豪雪の中での生活や農作業の様子を、平明でありながら迫真的に描き出す。かつて高野素十が新潟医大の教授として新潟に住まい、ひたすら農業生活を活写したのと同様に、若井も素十と同じ新潟に身を置き、自らが農家として働きながら俳句を書いている。
若井の句には田植えや畦塗り、雪卸しといった農作業の場面が数多く登場する。また、忌日俳句が多いのも特徴の一つで、人物にゆかりの事物を詠みこむ作が多い。句集を追うごとに切れ字が増え、対象にまつわる気分や意味を執拗に描いた初期句群から、おおらかな余白が生まれた格調高い句風へと変化した。
時間への意識に裏打ちされた彼の句は、風土の中で感じた微妙な気分をたしかに書きつけたすごみを持っている。祖なるものを肌で感じる生活は、多くの思いを抱かせる源泉となっている。
その他の特記事項
若井は俳壇をリードする俳人として、一茶記念館などで講座を行うなど、俳句の普及活動にも携わっている。2012年(平成24年)には『クイズで楽しく俳句入門』を飯塚書店から刊行し、俳句づくりのポイントを具体的に教える活動も行っている。
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バイオ
現在、7句の俳句が登録されています。
- すいてんへ しずしずしずめ たねだわら
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種俵
たねだわら
季節: 春(晩春) 分類: 人事(労働) -
角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記 春p.72
- やまぐにの よぞらのいろの なすびづけ
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茄子漬
なすづけ
季節: 夏(三夏) 分類: 人事(飲食) -
角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記 夏p.72
- いとほどの さやいんげんの すじをとり
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莢菜豆
さやいんげん
季節: 夏(晩夏) 分類: 植物(マメ目) -
文藝春秋 最新俳句歳時記 夏p.394
- いっすいの ながきをそなえ あきおさめ
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秋収
あきおさめ
季節: 秋(晩秋) 分類: 人事(行事) -
角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記 秋p.78
- うおぬまや なかてのほなみ うちそろい
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中稲
なかて
季節: 秋(晩秋) 分類: 植物(イネ目) -
角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記 秋p.198
- やまごえの ひにかがやける しんだいず
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大豆
だいず
季節: 秋(初秋) 分類: 植物(マメ目) -
角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記 秋p.202
- おにがわら ふまえてゆきを おろしけり
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雪卸
ゆきおろし
季節: 冬(三冬) 分類: 人事(労働) -
角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記 冬p.100