高野ムツオ (たかの むつお)
俳人の説明
管理人による説明
生涯
1947年7月14日、宮城県岩ケ崎町(現栗原市)に高野祐治、喜久子の長男として生まれた。本名は高野睦夫である。小学生のころより父に連れられて句会や吟行会に参加し、10歳ごろには初めての投句が句会で来町していた阿部みどり女の選に入るという経験をした。中学時代には『河北新報』のみどり女選の俳句欄に投句し、栗駒町立岩ヶ崎中学校を経て宮城県古川工業高等学校に進学した。高校時代よりみどり女主宰の俳誌「駒草」に投句を開始し、文芸部では詩作にも熱中した。
1966年、神奈川県に地方公務員として就職し、江ノ島海岸、平塚、横浜と居住地を変えながら勤務した。1967年に國學院大學文学部文学科の夜間部に入学し、俳句研究会に入会して機関誌「零」の発行に携わった。1970年には地方公務員の職を辞し、学業一本に絞る決断をした。1971年に國學院大學を卒業し、仙台に戻って中学校の国語講師として働き始めた。1973年には仙台市の中学校に教諭として赴任し、バスケットボールの指導などにも携わった。1979年に結婚し、定住の思いを強めていった。教員として多忙な日々を送る中、同僚教師から「他の仕事は誰でもできるが、俳句はお前でなくてはできない」と叱咤され、句作への意識を新たにした。
2007年に下咽頭癌の手術を受けるという試練を経験した。2011年3月11日、仙台駅の地下で東日本大震災に遭遇し、多賀城の自宅まで徒歩で帰宅する途中、中野栄駅付近で津波に流された車の光景を目にした。自宅の約200メートル手前で津波は止まっており、自身は難を逃れた。現在は多賀城市に在住している。
俳句歴
1967年に金子兜太の「海程」に入会した。入会の決め手となったのは、当時読んだ金子兜太の「短詩型文学論」や「今日の俳句」であった。國學院大學の俳句研究会では宮人聖、島谷星狼、森岡正作らと交流し、海程の例会や神奈川支部にも出席するようになった。佃悦夫、森田緑郎、谷佳紀らと交流し、阿部完市に刺激を受け、大石雄介に叱咤激励されながら句作生活を続けた。
1972年に海程新人賞準賞を受賞したが、選考委員から持続力の欠如を指摘され、以後その課題と向き合うことになった。1978年ごろに初めて佐藤鬼房のもとを訪れ、句集『地楡』の評を「海程」に書いたことがきっかけで交流が始まった。1981年には中村孝史、広幡茂らと仙台海程句会を発足させた。
1985年、佐藤鬼房の「小熊座」が創刊され、翌年より校正に携わるようになった。1987年、金子兜太の勧めにより第一句集『陽炎の家』を刊行し、序文を金子兜太、帯文を佐藤鬼房が寄せた。1988年に第24回海程賞を受賞した。1993年に第二句集『烏柱』を刊行し、1994年には宮城県芸術選奨と第44回現代俳句協会賞を受賞した。1996年に第三句集『雲雀の血』、2003年に第四句集『蟲の王』を刊行した。
2002年に佐藤鬼房が逝去し、その後「小熊座」の主宰を引き継いだ。2013年には東日本大震災の体験を多数含む第五句集『萬の翅』を刊行し、同句集により第65回読売文学賞、第6回小野市詩歌文学賞、第48回蛇笏賞を受賞した。蛇笏賞は戦後生まれ初の受賞者となり、深見けん二との同時受賞は31年ぶりのことであった。2024年には現代俳句協会会長に就任した。
その他の特記事項
東日本大震災の直後、混乱と不安の中で「自分には俳句を作ることしかできない」と考え、震災の体験を五七五の形にしていった。「四肢へ地震ただ轟轟と轟轟と」「車にも仰臥という死春の月」「みちのくの今年の桜すべて供花」などの震災詠は多くの人々の共感を得た。
中学校の教員として約20年間勤務し、生徒に俳句を作らせる指導も行った。最初は嫌がる生徒も次第に自己表現するようになり、そうして作られた句は子どもたちにとって宝になると考えていた。俳句研究賞選考委員、角川俳句賞選考委員、河北俳壇選者、日本現代詩歌文学館館長などを歴任し、現代俳句の発展に貢献している。
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参考にさせていただいたWebサイトの制作者様、誠にありがとうございます。貴サイトの貴重な情報により本データベースの充実を図ることができました。この場をお借りして心より感謝申し上げます。
バイオ
現在、14句の俳句が登録されています。
- とうたきの たにまあさひこあふれだす
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兜太忌
とうたき
季節: 春(初春) 分類: 宗教(忌日) -
新版 角川俳句大歳時記 春p.398
- かきおきの しおいりがわを くものひれ
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赤黄男忌
かきおき
季節: 春(仲春) 分類: 宗教(忌日) -
新版 角川俳句大歳時記 春p.400
- はぐるまの なかのはぐるま かふんしょう
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杉の花
すぎのはな
季節: 春(晩春) 分類: 植物(ヒノキ目) -
新版 角川俳句大歳時記 春p.314
- すぎやまの おくもすぎやま よしつねき
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義経忌
よしつねき
季節: 夏(初夏) 分類: 宗教(忌日) -
新版 角川俳句大歳時記 夏p.443
- ひとすめぬ まちにたなばた あめがふる
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七夕
たなばた
季節: 秋(初秋) 分類: 人事(行事) -
新版 角川俳句大歳時記 秋p.177
- われたさら われたままなり ちゅうやのき
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中也忌
ちゅうやき
季節: 秋(晩秋) 分類: 宗教(忌日) -
新版 角川俳句大歳時記 秋p.414
- おうりんも こうぎょくもみな みちのおく
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林檎
りんご
季節: 秋(晩秋) 分類: 植物(バラ目) -
新版 角川俳句大歳時記 秋p.547
- うたならば だいちさんしょう もみじのころ
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黄葉
もみじ
季節: 秋(晩秋) 分類: 植物(総称) -
新版 角川俳句大歳時記 秋p.568
- しばれびも さんがはあおみ つつありぬ
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しばれ
しばれ
季節: 冬(晩冬) 分類: 時候(感覚) -
新版 角川俳句大歳時記 冬p.75
- ぞうをのむ へびのはなしや ふゆごもり
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冬籠
ふゆごもり
季節: 冬(三冬) 分類: 人事(生活) -
ハンディ版 入門歳時記 新版p.529
- まんてんの ほしあつめんと くまでかう
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熊手
くまで
季節: 冬(初冬) 分類: 人事(生活) -
新版 角川俳句大歳時記 冬p.462
- ぬりわんを とびだすふなや えびすこう
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夷講
えびすこう
季節: 冬(初冬) 分類: 宗教(神道) -
新版 角川俳句大歳時記 冬p.451
- 夜空より雨 あめひとつぶや のぶこのき
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信子忌
のぶこき
季節: 冬(仲冬) 分類: 宗教(忌日) -
新版 角川俳句大歳時記 冬p.510
- げっこうの ぶあつきをきて くまねむる
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熊
くま
季節: 冬(三冬) 分類: 動物(哺乳類) -
角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記 冬p.166