津田清子 (つだ きよこ)
俳人の説明
管理人による説明
生涯
津田清子(つだ きよこ)は、1920年(大正9年)6月25日、奈良県に生まれた。奈良女子師範(現在の奈良教育大学)を卒業後、小学校教師として勤務した。
当初は前川佐美雄のもとで短歌を学んでいたが、1948年(昭和23年)、橋本多佳子の七曜句会に出席したことをきっかけに俳句に転向した。多佳子に師事して「七曜」同人となるとともに、多佳子の師である山口誓子にも師事し、誓子の俳誌「天狼」に投句した。
清子は三十代の頃、二十一歳年上の師である多佳子のお伴で各地を旅行し、俳人として鍛えられた。1963年(昭和38年)、多佳子が享年六十四歳で逝去した際には深い悲しみを詠んだ。
1951年(昭和26年)に天狼賞を受賞した。天狼賞受賞時のエピソードとして、「事務局の方が『清子さん、こんど天狼賞やで、お金渡しとくわ』とポケットからくしゃくしゃの千円札を三枚くれました。私はそれを神棚にも供えずそのまま毛糸屋さんへ走って真白な純毛の毛糸を一ポンド買いました。賞よりも毛糸が買えて嬉しかったことを覚えています」と後年語っている。
1971年(昭和46年)、51歳のとき俳誌「沙羅」を創刊し、主宰となった。1986年(昭和61年)、同誌を「圭」に改称した。15年後、同人たちにやる気が見えないと憤慨し、主宰誌を廃刊し、代わって会員誌「圭」をおこして自ら代表となった。2012年(平成24年)、「圭」を8月号で終刊した。
2000年(平成12年)、第六句集『無方』で第34回蛇笏賞を受賞した。俳人協会顧問を務めた。
2015年(平成27年)5月5日、94歳で死去した。
俳句歴
1948年に橋本多佳子の七曜句会に出席したことをきっかけに俳句に転向し、多佳子と山口誓子に師事した。1951年に天狼賞を受賞し、1955年(昭和30年)には「天狼」同人となった。昭和三十年代はじめに早くも頭角をあらわしたが、師系は大事にしても師風に盲従はしなかった。
1971年に俳誌「沙羅」を創刊、主宰となり、1986年に同誌を「圭」に改称した。山口誓子、橋本多佳子につながる俳人として、誓子の「天狼」、多佳子の「七曜」の系譜を継承した。
句集に『礼拝』『二人称』『縦走』『葛ごろも』『七重』『無方』『津田清子句集』などがある。2000年、第六句集『無方』で第34回蛇笏賞を受賞した。
その他の特記事項
代表句に「虹二重神も恋愛したまへり」「裏庭の百合も主を喪ひし」「太陽は四季咲の花砂の国」「無方無時無距離砂漠の夜が明けて」「監視きびしき中少年囚蝶手掴む」などがある。
多佳子の激しい叙情性と誓子の知的構成とを受け継ぎ、しばしば「硬質の叙情」と評される。飯田龍太は蛇笏賞受賞時の選評で「なんの飾気もなく自由気儘で、ながい俳句経験を積んだ人の作品集としては異色である。ひと口に言って旺盛な好奇心の鮮しさといえるようだ」と評した。
金子兜太は「天然・人事に積極的に参入し、共鳴の限りを尽そうとしているもので、和合という言葉が伴いやすい甘えを許すことはない。したがって季語に甘えたり、甘やかしたりすることはなく、言葉のすべてと真剣に付き合っている。従来にない硬質な女性俳人」と評価した。
藤田湘子は「過去の諸作からより大きく豊かな展開が見られる。もともと孤り立つ志の勁さが見事なひと。それに従来の硬質の抒情や諧謔がいっそう醇化され、えも言えぬ俳境を現出せしめている」と述べている。
句集『無方』の題は「荘子」の秋水篇から採ったもので、「人間の言語や思考で方向づけることのできない無限定の世界、すなわち、とらわれなき無限定の生き方を夢みるものである」と後書きで述べている。
また、五七五に収まるはずの言葉をなぜか六音、八音にした句も多く、独自の韻律感覚を持っていた。
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バイオ
現在、11句の俳句が登録されています。
- ふかきひび もちてりゅうひょう つながれり
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流氷
りゅうひょう
季節: 春(仲春) 分類: 地理(水辺) -
角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記 春p.56
- いのちづな たるみてあまの じざいきょう
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海女
あま
季節: 春(晩春) 分類: 人事(労働) -
角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記 春p.82
- ひきがもや ひかりもなみも こまやかに
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引鴨
ひきがも
季節: 春(仲春) 分類: 動物(鳥類) -
角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記 春p.131
- はだかのこ はだかのちちを よじのぼる
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裸
はだか
季節: 夏(晩夏) 分類: 人事(衣服) -
角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記 夏p.116
- ひきあぐる こんぶになみが ついてくる
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昆布
こんぶ
季節: 夏(晩夏) 分類: 植物(藻類) -
角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記 夏p.100
- わらづかに ねんりんはなし のうにおゆ
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藁塚
わらづか
季節: 秋(晩秋) 分類: 人事(労働) -
新版 角川俳句大歳時記 秋p.280
- わたぬかれ たるいのししの なおももし
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猪
いのしし
季節: 秋(三秋) 分類: 動物(哺乳類) -
角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記 秋p.122
- いのちみじかき かげろうのしみゃく すく
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蜉蝣
かげろう
季節: 秋(三秋) 分類: 動物(昆虫等) -
新版 角川俳句大歳時記 秋p.501
- ゆびふれし ところみえども ももくさる
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桃
もも
季節: 秋(初秋) 分類: 植物(バラ目) -
新版 角川俳句大歳時記 秋p.540
- よるのたく ちえのごとくに くるみのみ
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胡桃
くるみ
季節: 秋(晩秋) 分類: 植物(ブナ目) -
角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記 秋p.159
- やまのやみ ほうおんこうの ひをともす
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報恩講
ほうおんこう
季節: 冬(初冬) 分類: 宗教(忌日) -
角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記 冬p.152