中村汀女 (なかむら ていじょ)
俳人の説明
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生涯
中村汀女(なかむらていじょ)は1900年(明治33年)4月11日、熊本県飽託郡画図村(現熊本市東区江津)に斎藤平四郎・テイの一人娘として誕生した。本名は破魔子(はまこ)である。父の平四郎は地主であり、村長も務めた。1912年(大正元年)に熊本県立高等女学校(現熊本県立第一高等学校)に入学し、1918年(大正7年)に同校補習科を卒業した。汀女は英文学や演劇などに興味を持つ聡明な女性で、当時江津湖で開催されていた第五高等学校(現熊本大学)のボートレースでは、五高生たちの憧れの存在であったという。
1920年(大正9年)に熊本市出身の大蔵官僚(税務官)である中村重喜と結婚し、以後夫の転勤に伴い東京、横浜、仙台、名古屋など国内各地を転々とした。結婚後は約10年間にわたり句作を中断したが、1932年(昭和7年)に句作を再開し、後に東京に定住した。息子は作家尾崎士郎の娘一枝と結婚している。長女は小川濤美子(俳人)、孫は小川晴子(俳人)である。
1980年(昭和55年)に文化功労者、1984年(昭和59年)に日本芸術院賞を受賞し、熊本市名誉市民にも選ばれた。1988年(昭和63年)には東京都名誉都民となったが、顕彰式を前にした同年9月20日、東京女子医大病院で心不全のため死去した。享年88。戒名は淳風院釋尼汀華。墓は築地本願寺和田堀廟所(東京都杉並区)にある。
俳句歴
汀女は補習科を卒業した1918年頃から俳句を詠み始め、九州日日新聞(現熊本日日新聞)への投稿句が掲載された。このころより「ホトトギス」への投句も始め、18歳の頃に詠んだ句が絶賛されたことで本格的に俳句を学ぶようになった。また汀女は女流俳人の杉田久女に憧れてファンレターを送り、1921年(大正10年)9月には久女が江津の汀女の家を訪ねている。この出会いから汀女と久女の交流は長く続いた。
結婚により一時中断していた句作を1932年(昭和7年)、32歳の頃に再開し、高浜虚子に師事した。1934年(昭和9年)には「ホトトギス」同人となり、最初の句集『春雪』を発表した。虚子は実子の星野立子と並んで汀女を特別に指導しており、汀女の第一句集『春雪』(1940年)と立子の同年の句集『鎌倉』に同じ序文を寄せて姉妹句集としている。戦後の1947年(昭和22年)には俳誌「風花」(かざはな)を創刊・主宰し、俳壇における確固たる地位を築いた。
汀女は星野立子・橋本多佳子・三橋鷹女とともに「四T」と称され、昭和を代表する女流俳人の一人となった。その作風は、交流のあった久女の力強い句風とは異なり、生活に密着した素直で叙情的な作品が多かった。日常生活を題材にしながら、豊かな感性と表現力で芸術性を高めた句を多く残し、女流俳人の第一人者として、ラジオやテレビなどを通して俳句を家庭婦人層へ広く普及させた。
その他の特記事項
汀女の作風は、ときに「台所俳句」とも揶揄されることがあった。しかし汀女は「それでよし」と毅然とした態度で受け入れ、主婦目線でありふれた生活を詠む姿勢を崩すことはなかった。自身の随筆『汀女自画像』の中でも「私たち普通の女性の職場ともいえるのは家庭であるし、仕事の中心は台所である。そこからの取材がなぜいけないのか」と主張し、家庭婦人の生活を肯定した。当時の俳句界で男性優位が続く中、汀女は周囲の批判に臆することなく、穏やかな良妻賢母の姿だけでなく気丈さを併せ持つ女性として活躍した。
生まれ育った江津湖を生涯愛し続け、江津湖の風景を想い起こさせる句や母への想いを詠んだ句も多く残している。江津湖周辺には汀女をはじめ夏目漱石などの文学碑があり、文学の散歩道となっている。熊本近代文学館には汀女の資料も展示されており、郷土熊本と深い結びつきを保ち続けた俳人である。
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- ひをよせし かーねーしょんの ぴんくかな
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カーネーション
かーねーしょん
季節: 夏(初夏) 分類: 植物(ナデシコ目) -
角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記 夏p.228
- はざくらの かぶさってくる ちゅーりっぷ
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葉桜
はざくら
季節: 夏(初夏) 分類: 植物(バラ目) -
平井照敏編 新歳時記 夏p.349
- びわかいて よるのふかさに びわにおう
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枇杷
びわ
季節: 夏(仲夏) 分類: 植物(バラ目) -
角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記 夏p.203
- うたたねを わがゆるされて みかんさく
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蜜柑の花
みかんのはな
季節: 夏(仲夏) 分類: 植物(ムクロジ目) -
文藝春秋 最新俳句歳時記 夏p.305
- あわれこの よさむのとこに ひけばよる
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夜寒
よさむ
季節: 秋(晩秋) 分類: 時候(感覚) -
新版 角川俳句大歳時記 秋p.70
- わがおもう ごとくひとゆく いなだかな
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秋の田
あきのた
季節: 秋(三秋) 分類: 地理(田畑) -
角川ソフィア文庫 第4版増補 俳句歳時記 秋p.51
- くさにふれ しゅうすいはしり わかれけり
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秋の水
あきのみず
季節: 秋(三秋) 分類: 地理(水辺) -
角川ソフィア文庫 第4版増補 俳句歳時記 秋p.53
- とりたちし あともなるこの なりやまず
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鳴子
なるこ
季節: 秋(三秋) 分類: 人事(労働) -
角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記 秋p.75
- おおぞらに みじんかがやき まつていれ
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松手入
まつていれ
季節: 秋(晩秋) 分類: 人事(労働) -
角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記 秋p.72
- あいふれし このてとりたる かどびかな
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門火
かどび
季節: 秋(初秋) 分類: 宗教(仏教) -
角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記 秋p.108
- まんちょうの むこうのまちの あきまつり
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秋祭
あきまつり
季節: 秋(三秋) 分類: 宗教(神道) -
角川ソフィア文庫 第4版増補 俳句歳時記 秋p.93
- にくざらに あきのはちくる ろっじかな
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秋の蜂
あきのはち
季節: 秋(三秋) 分類: 動物(昆虫等) -
平凡社 俳句歳時記 秋p.414
- とどまれば あたりにふゆる とんぼかな
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蜻蛉
とんぼ
季節: 秋(三秋) 分類: 動物(昆虫等) -
角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記 秋p.139
- さかかけて ゆうひうつくし たけのはる
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竹の春
たけのはる
季節: 秋(仲秋) 分類: 植物(イネ目) -
角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記 秋p.178
- もろこしを やくひたすらと なりていし
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玉蜀黍
とうもろこし
季節: 秋(仲秋) 分類: 植物(イネ目) -
角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記 秋p.199
- ながさめの ふるだけふるや あかのまま
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赤のまんま
あかのまんま
季節: 秋(初秋) 分類: 植物(ナデシコ目) -
文藝春秋 最新俳句歳時記 秋p.153
- しばらくの みぞれにぬれし はやしかな
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霙
みぞれ
季節: 冬(三冬) 分類: 天文(水) -
ハンディ版 入門歳時記 新版p.556
- はしにきく ながききてきや ふゆのきり
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寒靄
かんあい
季節: 冬(三冬) 分類: 天文(水) -
角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記 冬p.50
- みずつきつつ とくさはあおし ふゆのあめ
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冬の雨
ふゆのあめ
季節: 冬(三冬) 分類: 天文(水) -
平井照敏編 新歳時記 冬p.54
- かれそのに なにかこころを おきにきし
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枯園
かれその
季節: 冬(三冬) 分類: 地理(山野) -
平井照敏編 新歳時記 冬p.78
- じぜんなべ ひるがよとなる ひとどおり
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社会鍋
しゃかいなべ
季節: 冬(仲冬) 分類: 人事(行事) -
虚子編 新歳時記 増訂版p.755
- ふところで こころみられし ごとほどく
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懐手
ふところで
季節: 冬(三冬) 分類: 人事(生活) -
ハンディ版 入門歳時記 新版p.546
- かきむきの からなげおとす おとばかり
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牡蠣むく
かきむく
季節: 冬(三冬) 分類: 人事(生活) -
角川ソフィア文庫 第4版増補 俳句歳時記 新年p.112
- せきのこの なぞなぞあそび きりもなや
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咳
せき
季節: 冬(三冬) 分類: 人事(健康) -
角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記 冬p.131
- くつひもをむすぶまもなくゆきつぶて
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雪合戦
ゆきがっせん
季節: 冬(三冬) 分類: 人事(娯楽) -
ハンディ版 入門歳時記 新版p.581
- きゃくさりし もとのけがわに ならべおく
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毛皮
けがわ
季節: 冬(三冬) 分類: 人事(衣服) -
ハンディ版 入門歳時記 新版p.541
- おきいでて せきをするこや かんすずめ
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寒雀
かんすずめ
季節: 冬(晩冬) 分類: 動物(鳥類) -
平井照敏編 新歳時記 冬p.329
- はくさいの やまにみをいれ めでかぞう
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白菜
はくさい
季節: 冬(三冬) 分類: 植物(アブラナ目) -
文藝春秋 最新俳句歳時記 冬p.134
- はぼたんを まちのあられに まかせうる
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葉牡丹
はぼたん
季節: 冬(晩冬) 分類: 植物(アブラナ目) -
文藝春秋 最新俳句歳時記 冬p.335
- かれすすき ただかがやきぬ かぜのなか
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枯芒
かれすすき
季節: 冬(三冬) 分類: 植物(イネ目) -
ハンディ版 入門歳時記 新版p.502
- やまのうえ むぎのめいでて はたとなる
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麦の芽
むぎのめ
季節: 冬(初冬) 分類: 植物(イネ目) -
ハンディ版 入門歳時記 新版p.595
- ゆきふりし ひもいくたびよ あおきのみ
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青木の実
あおきのみ
季節: 冬(三冬) 分類: 植物(ガリア目) -
文藝春秋 最新俳句歳時記 冬p.76
- おつあめに すぐはきやめぬ つわのにわ
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石蕗の花
つわのはな
季節: 冬(初冬) 分類: 植物(キク目) -
虚子編 新歳時記 増訂版p.656
- かんぎくに かりそめのひの かげりはつ
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寒菊
かんぎく
季節: 冬(晩冬) 分類: 植物(キク目) -
ハンディ版 入門歳時記 新版p.593
- まちははや はつゆのふとき けむりあげ
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初湯
はつゆ
季節: 新年(新年) 分類: 人事(生活) -
ハンディ版 入門歳時記 新版p.635
- しめかざり ふかれうきぐも ひかりさり
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主連飾
しめかざり
季節: 新年(新年) 分類: 人事(生活) -
角川ソフィア文庫 第4版増補 俳句歳時記 新年p.29
- つぎのこも とそをきれいに ほすことよ
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屠蘇
とそ
季節: 新年(新年) 分類: 人事(飲食) -
角川ソフィア文庫 第4版増補 俳句歳時記 新年p.44